[8.22 SBS杯 U-18日本代表0-0 U-18韓国代表 草薙陸]
U-18日韓戦は0-0ドロー。U-18日本代表、U-18アルゼンチン代表、U-18韓国代表、そして静岡ユース(静岡県選抜)の4チームが1回戦総当たりのリーグ戦で優勝を争う「2024 SBSカップ国際ユースサッカー」が22日、静岡市駿河区の草薙総合運動場陸上競技場で開幕した。U-18日本代表は初戦でU-18韓国代表と対戦し、0-0で引き分け。日本は23日の第2戦で静岡ユースと戦う。
日韓戦の直前に行われた静岡ユース対U-18アルゼンチン代表戦は、雷の影響で前半58秒から約2時間に渡り中断。40分ハーフから30分ハーフに変更して再開したものの、後半5分に雷で再中断してそのまま打ち切られた。日韓戦も40分ハーフから30分ハーフへ変更。当初18時30分開始予定のゲームは、19時52分にスタートした。
2013年以来の優勝を狙う日本は、GK内山翔太(新潟U-18)、右SB斉藤秀輝(大宮U18)、ゲーム主将のCB土屋櫂大(川崎F U-18)、CB大川佑梧(鹿島ユース)、左SB布施克真(日大藤沢高)、山本丈偉(東京V)と大谷湊斗(昌平高)のダブルボランチ、右SH南創太(日章学園高)、左SH嶋本悠大(大津高)、そしてワッド・モハメッド・サディキ(柏U-18)と神代慶人(熊本)の2トップでスタート。大谷、南、嶋本は候補合宿も含めて年代別日本代表初招集で、布施、大川、神代はU-17世代から選ばれたプレーヤーだ。
韓国のメンバーは、昨年のU17アジアカップ決勝で土屋ら日本と対戦(日本が3-0で勝利)した選手も複数。この世代は2022年のU-16インターナショナルドリームカップ(3-0で日本が勝利)を含めて日本に勝てていないこともあり、「モチベーションになっていた」(ソン・スンジュン監督)。
天候によるアクシデントからスタートしたライバル対決。だが、日本の船越優蔵監督は、「こういうことが起こりうるっていうことをずっと言っていた。僕らとしては何にも動じることもなかった」という。昨年のU-17ワールドカップで雷雨による中断を経験した選手、スタッフもいる。土屋も「イレギュラーな形ではありましたけど、試合前からそれに『しっかり対応するよ』『左右されないでよ』ってことがチームの中で声がかかってきていたので、それに対してはブレることなく、今日の試合に入れたのかなと思います」と振り返ったように、動じずに試合をスタートした。
前半8分、日本は南の右CKのこぼれから嶋本が左足シュート。10分には土屋が力強いヘッドで相手GKのキックを跳ね返し、その後のセカンドボールで山本が相手選手と接触しながらも味方に繋ぐ。ここから速攻。嶋本のパスを受けたワッドが、ドリブルからグラウンダーの右足シュートを打ち込んだ。
さらに16分には、嶋本とのコンビから左SB布施が攻め上がり、左足を振り抜く。韓国もボールを保持した際は攻め急がずに丁寧なパスワーク。そこからサイドの突破力を活かした攻撃や連動した仕掛けでゴール前へ侵入してきた。だが、日本は土屋が1対1を止め切るなど前半は被シュートゼロ。そして、攻撃でもチャンスを作り出した。
24分、大川の左足フィードをワッドが収め、大谷が左サイドへ飛び出す。ここから布施が粘って繋ぎ、嶋本が右足クロス。ニアの神代が放ったヘッドがゴール左隅を突いたが、韓国GKユン・ギウク(FCソウルU-18)の好セーブに阻まれた。日本はその後も大川のサイドチェンジから右の南、斉藤と繋いでクロスへ持ち込み、30+1分には大谷のヒールパスを受けた嶋本が右足シュートを放った。
だが、決め切れずに0-0で前半終了。ハーフタイムには山本を左SB柴田翔太郎(川崎F U-18)に代え、布施をボランチへ上げた。雨がより強くなった後半、日本はピッチコンディションに苦戦し、相手に押し込まれる時間帯が増加。序盤にMFキム・ソンジュ(水原三星U-18)にドリブルシュートを放たれたが、これはGK内山が落ち着いて対応する。
その後も3人替えした韓国にドリブルやロングスローなどでゴール前のシーンを作られた。だが、日本はGK内山や大川、土屋が粘り強く対応。布施の奪い返しなどから攻撃に持ち込む。16分には南、大谷に代えてDF池間叶(名古屋U-18)とFW安野匠(帝京長岡高)を投入。斉藤、土屋、大川の3バックに右WB柴田、左WB池間、ダブルボランチに布施と嶋本、前線に安野、ワッド、神代を並べる3-4-3システムへ変えて1点と勝ち点3を目指した。
だが、クロスの精度を欠くなど、勝負どころで攻め切る回数を増やせない。後半30+2分には神代がセカンドボールの攻防でFKを獲得。柴田のキックに神代が飛び込んだが、DFにクリアされた。このまま0-0で試合終了。選手たちは勝ち切れなかったことを悔しがっていた。
船越監督が兼任するU-19日本代表は、今年9月にAFC U-20アジアカップ2025予選に出場。指揮官は今回、SBSカップ招集メンバーに「まずこのSBSカップで優勝する、タイトルを取るということと、あとはU-19への『個人昇格』という2本柱を彼らには提示しました」と明かす。
昨年のU-17ワールドカップメンバー、初招集組を含めて1歳年上のチームへ「個人昇格」する可能性があることは確かだ。ただし、土屋が「この大会で優勝するっていうのはもう個人としても、チームとしても目標であるので、やっぱりこの大会でまず結果を残したいと思います」と語ったように、目の前の戦いで優勝することが最優先。それぞれがU-19日本代表で戦える武器や基準を持っていることを示し、優勝してチャンスを掴む。
(取材・文 吉田太郎)
Source: サッカー日本代表
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