[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.22 SBS杯 U-18日本代表0-0 U-18韓国代表 草薙陸]
強雨によって、水たまりもできたピッチ。悪コンディション下の日韓戦で、ゲーム主将がU-18日本代表に安心感をもたらしていた。「水で(ボールが)止まるっていうことも頭に入れて、球際だったり、背後のケアっていうのを最終ライン含めてキーパーと一緒に考えながらプレーしていました」というCB土屋櫂大(川崎F U-18、3年)が、無失点に大きく貢献。川崎Fトップチーム昇格内定、U-19日本代表にも選出されているDFが、同世代の代表チームで力を示した。
空中戦の強さを発揮し、スピードに乗って仕掛けてきた相手アタッカーとの1対1を完璧にストップ。「球際っていうのは自分の武器なので、こういったところで発揮できたのは良かった」と振り返る。最終ラインからのコーチングも欠かさず、サイドチェンジにもチャレンジ。後半途中からの3バック移行にも柔軟に対応した。
「今回、キャプテンに任命されて責任と覚悟は持っていますし、初招集の選手が多い中で、自分が少なくとも経験は他の人よりあると思うので、そういったところはリーダーシップ持って。(雷の影響で開始時間が大幅に遅れた)試合前もそうですけど、試合中なんかもっと声出して試合を運んでいけたら良かったかなって思います」
満足感はない。ビルドアップの際、フリーの状況でロングボールを選択した場面があったことを反省。よりCBが中心になって相手選手間へのパスを使いながら、攻撃をコントロールすることができたと考えている。
「課題も今日の試合で見えたので、そういったところに目を向けながら、慢心することなく。全然できてないので、チームとしても今日勝てなかったので、もう一回、目を向けてやっていきたいなと思います」と引き締めていた。
今回、U-18日本代表の選手たちは、船越優蔵監督からはSBSカップ優勝とU-19日本代表への「個人昇格」の2つを提示されているという。土屋もまずは優勝に全力。その上で、U-17ワールドカップ経験者は年上のU-19日本代表定着、U-20ワールドカップ出場を本気で目指している。
「(U-20ワールドカップは)もちろん狙ってますし、そこに入るだけじゃなくて、そこで活躍しなきゃいけないとも思っています。もっともっと上のレベルを見てサッカーをやっていけなきゃいけないし、今のU-18っていう代表の現状に満足せずに、もっともっと上目指せるならもっともっと上へ行きたいので、まずは今のこの代表ですけど、この後、上のカテゴリーに入っていけたらなと思います」と力を込めた。
土屋は高校1年時から年代別日本代表常連。年上の世代の代表チームにも参加しているが、5年後、10年後に代表チームに生き残ることができるのはほんの一握りの選手だけだ。そのことを理解している。
「やっぱりこのカテゴリーで1番はそうですけど、自分がU-19でも、U-20でもリーダーシップを張れるようになっていけなきゃいけないと自分でも思ってるので、まずはこの大会でリーダーシップを発揮しつつ、この大会で優勝するっていうのは個人としても、チームとしても目標であるので、この大会でまず結果を残したいと思います」。U-18日本代表のチームリーダーは「将来、世界で戦うっていう目標が自分の中である」。その目標を実現するためにもチームを勝たせる選手、同世代、上の世代の代表チームを引っ張る選手になる。
(取材・文 吉田太郎)
Source: サッカー日本代表
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