「やっぱり大事なのは個」に向き合う守田英正、W杯最終予選への思い「もっと自分が勝たせる存在に」

MF守田英正
 北中米W杯アジア最終予選・中国戦(5日・埼玉)へ始動した日本代表のMF守田英正が合宿初日の2日、練習後に報道陣の取材に応じ、過去2大会で敗戦が続いているW杯最終予選初戦に向けて「2次予選までの戦いとは全く違ったものになる」と意気込みを語った。

 日本代表はロシアW杯最終予選でUAE、カタールW杯最終予選でオマーンに敗れており、最終予選初戦は2連敗中。普段の活動でも懸念される時差や長距離移動に加え、シーズンが始まったばかりの欧州組のコンディション調整の難しさや、すでに秋の気候になっている欧州との気温差などが要因で、厳しい戦いが続いている。

 守田は前回カタールW杯の最終予選初戦をコロナ禍の入国制限のため欠場していたが、苦しい状況から始まったその後の戦いを経験した。その経験を踏まえて守田は「2大会連続で初戦に悔しい試合からスタートしている。そうすると次の試合からもっと厳しい戦いになっていくので、まずは初戦しっかり勝つことがチームの勢いにつながる」と初戦の重要性を訴えた。

 そんな守田のカタールW杯最終予選は、1勝2敗で臨んだ第4戦のオーストラリア戦から主力に定着し、首位での予選突破に大きく貢献した形。そのため今大会では、初陣からポジションを掴み、チームの司令塔としての活躍が求められる。またそうした中、守田は自身にさらなる高い基準を課し、活動に入ってきたという。

「人とか近場の選手だったり、チームとして意思統一してやるべきことだったり、戦術だったり、いろんなことを考えながらずっとやってきたけど、最終的にはやっぱり大事なのは個。自分一人でどれだけ相手を剥がせるかとか、自分がどれだけボールを前に前進させられるかに改めていまこだわっている。選手として成長するためにそこに目を向けてやっているので、そういったところも最終予選を通じて日本代表に貢献するアピールをしていきたい」

 これまでの戦いでは伊東純也、鎌田大地、三笘薫、久保建英といった攻撃のタレントを活かしつつ、チームの全体を整える役割で唯一無二の能力を示してきた守田。だが、今回の最終予選ではより個人にフォーカスし、「もっともっと自分が勝たせる存在にならないといけない」とさらなる存在感を示していきたい構えだ。

 もちろん、これまで担っていたゲームコントロールの役割は継続する姿勢を示す。

「バランス重視でいろんな選手が活躍できるような調整、そういう気遣いは僕の一つの特徴なので、チームにとってもプラスになると思う。今までやってきたベース、戦い方はあくまでも変えずに“自分に課す”じゃないけど、もっとこうしたほうがいいんじゃないか、もっとこうできるんじゃないかという部分で大会を通じてもう一皮剥けたいと思っている」

 カタールW杯を終えて以降の日本代表では、常連組の遠藤航や田中碧に加え、伊藤敦樹、佐野海舟、川村拓夢ら対人にストロングポイントを持つMFが次々に台頭中。そうしたチームの流れがある中、守田がよりハイブリッドな形で存在感を高めることができればさらに頼もしい存在になりそうだ。

「できることは限られているとは思うけど、その中でも模索しながら、もっとできることをやっていきたい。もし無理だったらしょうがないという割り切りはしたくないし、是が非でも勝利をもぎ取るところ。アジア杯は自分の力でそれができなかった部分なので、大会は変わるけど、何がかかるかというとW杯本戦に向けたチケットという点で同じくらい重要な大会なので自分が勝たせる勢いを持ってやりたい」

 ポルトガルのビッグクラブで評価を高め続ける29歳は、さらなる高みを見据えて2度目のW杯への戦いに挑もうとしている。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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