観客が基町アパート方面(奥)に通り抜けないよう、周知する看板が立つ試合日のスタジアム周辺
新サカスタ周辺の基町アパート、試合日の観客「通り抜け禁止」続く 「緩和を」「時期尚早」賛否の声
8月で開業から半年となったエディオンピースウイング広島(広島市中区)。J1サンフレッチェ広島主催の試合がある日は、トラブルを避けるため、観戦に来た人が市営基町アパートのエリアを通り抜けないよう、交通規制が敷かれている。
エリア内の飲食店からは規制の緩和を望む声も上がるが、静かな住環境を保ちたいとの声も根強く、当面は規制が続きそうだ。
試合のあった8月11日、スタジアム周辺には「通り抜け禁止」の看板が立ち、警備員がファンを国道54号沿いに誘導していた。
観戦に訪れた東区の飲食店経営溝田翔平さん(32)は「規制エリア内には人気の飲食店もあるのに、もったいない」とつぶやいた。
「サッカー談議で盛り上がれると期待していたのに残念」。食料品店を営む大森広明さん(74)の表情もさえない。店頭にサンフレグッズを飾り、チームカラーの紫をイメージした雑穀米のむすびを売るなど知恵を絞ってきただけに、人波が来ない現状を嘆く。
交通規制は、スタジアムを指定管理するサンフレが市や県警、地元自治会と協議の上、実施している。
2月1日のスタジアム開業前に、自治会などから観客の騒ぎ声、ごみのぽい捨て、車の渋滞や違法駐車を懸念する声が上がったためだ。サンフレは主催試合のたびにスタッフや警備員など20人余りを動員し、観客を誘導。観戦に来た人の車の乗り入れも制限している。
サンフレには今のところ、スタジアムの歓声に関する住民からの苦情が試合ごとに数件届く程度で、エリア内で観客の絡む大きなトラブルはないという。
エリア内に住む無職重松富男さん(68)は「警備が物々しい。ぽい捨てや大騒ぎがないなら観客に通ってもらってよいのでは」と話す。
基町ショッピングセンター(SC、約80店)の飲食店の一部にも、交通規制の見直しを求める声がある。「せめてメイン通りだけでも認めて、店に来られるようにしてほしい」などと望む。
一方で、「時期尚早」との声も根強くある。同SC役員でお好み焼き店を営む佐川深雪さん(58)は「常連客中心で、知らない人が来るのを好まない店もある。みんなが賛成でない以上、慌てずに長い目で意見をまとめていくのがいい」と話す。
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Source: サカサカ10
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