「このチームで全国優勝する」九州産業大MF飯星明良はインカレでのリベンジ誓い、この夏の敗戦を反省しない

MF飯星明良
[9.4 総理大臣杯1回戦 筑波大 2-1 九州産業大 石巻フ]

「反省するな。次どうするかだ」。来季、ユース以来の復帰が決まったロアッソ熊本大木武監督の言葉だという。

「大木さんがよく言っていて、僕はこの言葉が好き」。九州産業大MF飯星明良(4年=熊本ユース/熊本内定)は前だけを見つめて、歩みを止めない。

 筑波大に主導権を握られながらも、プラン通りに試合を運んだ。

「0-0、もしくは1-1で前半をセーフティーにいこうという計画だった」。立ち上がりの前半11分に先制点を奪われた時には、少し戸惑いを隠せない選手もいたが、飯星から「大丈夫だ」と声がかかると、ピッチ上にはポジティブな言葉が飛び交った。

 失点から4分後、左サイドでフリーキックを得ると、飯星が左足で入れたボールをDF船越将磨が頭で折り返す。「セットプレーは常に狙っていて、シュートで終わるという部分は普段から声をかけてやってきた」。DF伊藤励雅が見事なボレーシュートを突き刺した。

 追い付いてからも防戦一方の展開は続いた。それでも、九州産業大はゴール前で粘り強く守り、飯星が「強いフォワード」と話す、FW中山大耀とFW岩崎巧をターゲットに陣地を挽回した。

 1-1で迎えた後半は徐々にボールを握り、決定機も作った。その中心には飯星がいて、左足の多彩なキック、アイディアのあるパスで逆転ゴールを狙った。

「自分たちのプラン通りで後半に入れた。チャンスも作れたが、やはり最後の一対一の部分、個の強さというところで、まだまだ足りなかった」

 惜しくも1-2で敗れた九州産業大。それでも名門・筑波大と接戦を演じて自信もつけた。「勝てるチャンスもある。これからの期間で個のレベルアップを目指し、次やった時は必ず勝てるようにしたい」。そのリベンジの場はインカレだ。

「一番の目標は、このチームで全国優勝すること」

 そのために飯星は、熊本で特別指定選手になってJ2リーグでの出場を目指す。「ロアッソでリーグ戦に出て、さらにレベルアップし、このチームに還元したい。冬に全国の舞台に帰ってきて勝つには、どうすればいいのかを考えている」。飯星はこの夏の敗戦を反省しない。

(取材・文 成田敏彬)


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Source: 大学高校サッカー

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