「最初の試合までは、『どういう選手なんだろう?』という感じはあった」
そう笑って話したのはアジア大会に臨むU-22日本代表の10番を背負うMF西川潤(鳥栖)だ。
同じJリーガーでも大学サッカー出身のDF山崎大地(広島)は「大学組も知っている選手ばかりだったし、一緒にやったことのある選手も多いので、特長はわかっていた」という状況だったが、これはむしろ例外的な存在。互いを知るところから始まり、実戦の中で見せるプレーのクセや特色も把握しながら、連係面の向上も図ってきた。
「もう大体わかってきたし、試合をやるごとに特長は把握できてきた。練習の機会はどうしても少ないので、試合をする中でコンビネーションも良くしてきている。もう問題はないかなと思います」
カタールとの初戦でアシストのパスを受けたFW内野航太郎(筑波大)などは「動き出したら、この精度で出てくるのか」と驚いて動き出しのタイミングを考え直したと言うが、こうした積み重ねで少しずつチームとしての攻撃の練度も上がってきた。
大岩剛監督の戦術についても「鳥栖でやっていることと似た面もあるし、この役割の中で自分の持ち味を出していける」と手応えを感じている。ただ同時に、「チームとして求められることをやりつつ、ゴール前ではもっと泥臭さを出していきたい」とも言う。綺麗に崩すだけではなく、少し強引にでもゴールを狙う。そんなイメージはあるようだ。
「自分自身、いまの立ち位置は理解しているし、この大会で自分の価値を証明する必要があると思っている。Jリーグでも前期は良くなかったですけど、後期は良くなったと思うし、成長している実感はある。あとは結果に繋げられるかどうか。もっとギアを上げて頑張っていきたい」
ここから先のステージは甘くない。日本の10番がどれだけのパフォーマンスを見せられるか。日本の勝ち上がりを大きく左右することになるだろう。
(取材・文 川端暁彦)
●第19回アジア大会特集ページ
Source: サッカー日本代表
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