[関西]天王山に敗れ首位陥落の京産大、MF山村朔冬ら下級生の底上げが連覇のカギ「前向きにやるしかない」

先発でマッチアップしたMF山村朔冬(右)とFW堀颯汰(中)
[10.19 関西学生L1部後期第7節 関西大2-0京産大 万博記念競技場]

 前節を0-4で落としていた京都産業大は、先発メンバー5人を変更した。MF山村朔冬(1年=帝京長岡高)もそのうちの一人として、4試合ぶりの先発のピッチに立った。

 しかしチームは敗れ、痛い今季初の連敗を喫した。首位で迎えた大事な天王山。前半34分、同39分と立て続けにセットプレーから得点を許すと、攻撃陣も2試合連続の無得点。直接対決に敗れた京産大は、阪南大にもかわされて3位にまで後退した。

「今季はリーグ戦で初めての連敗になったけど、リーグ戦ということなので前向きにやるしかないと思う。今日から切り替えていきたいなと思います」

 山村自身は「昨日の夜から今日の試合をめっちゃ楽しみにしていた」という。相手の先発にいたFW堀颯汰(1年=帝京長岡高)は高校3年間を切磋琢磨した仲。今季の前期開幕節の対戦では、山村はベンチスタートだったが、堀は先発して先制点を決めていた。「当然意識してて、絶対に負けたくなかった」。大学に来てからも1か月に1回は食事に行くという2人は、前日からLINEで健闘を誓いあうなど、特別な対戦を楽しんでいた。

「でも実際やってみて、自分のファウルからセットプレーで点を取られた。そこまでネガティブには捉えてないんですけど、消極的な誰でもできるプレーをしてしまった。(堀とは)お互い絶対負けたくないと思っていたと思う。でもあいつもきょうは何もしてないんで。次は自分が絶対活躍して勝ちたいなと思います」

 大学でも強力なライバルがいることが励みになっている。現在ポジションを争っているのは、同学年のMF皿良立輝(1年=C大阪U-18)。今季開幕戦で先発デビューを飾った皿良は、今季リーグ戦で11試合に先発。山村はここまでリーグ戦の先発は5試合にとどまっている。

 ただ「あいつも活躍してるんですけど、負けてるという自覚は全然ない」と強気に話す。「いい意味なんですけど、なんで出てんねんと思う時もある。逆に今日みたいなプレーだったらあいつが何で俺が出てんのかな?みたいになると思うんで、いい関係を築けてると思うし、負けずに突き放したい」。将来的な共闘がベストだが、今年はハイレベルな競争から生まれるチームの底上げが、連覇のカギになるかもしれない。

 高校で自信をつけたことで、大学でも問題なくプレーできているという。もともと大阪出身だが、「プロを目指せる環境かつ、自分のプレースタイルに合うなと思った」と、新潟県の強豪に越境入学した。「高校では1年の時から3年の試合に出たりしていたんですけど、当時はついていくのが精いっぱいだった。何回も壁にもぶつかったけど、やっていくうちに、このままブレずにやっていけば絶対にプロになれるなという自信はつきました」。

 高校3年時には当然主力としてプレーし、母校を初のプレミアリーグ昇格に導いた。昨冬の高校選手権では2回戦でPK負けしたが、FW郡司璃来を擁する市立船橋高に互角以上の戦いを演じた。「(郡司も)やってみて、すごいのはすごかったんですけど、全然差はないっていうか、違うポジションなんですけど、自分でも全然いけるなと思った。でもあの試合もアシストは残せたんですけど、もっと思い切りの良さを出せたらよかった」。決定的な仕事のできる選手になる。そこを大学生活で突き詰めていくつもりだ。

「よく聞くのは、大学サッカーは関東が強いみたいなこと。そういうイメージがあると思うんですけど、去年の結果だったら京産も全然やれていると思うし、個人のベースだったり技術のところは当たり前ですけど、フィジカルもそうですし、戦うところを出しつつ、自分の得意な技術であったり、そういうところを出していけたらいい。自分はいいときは積極的にできるんですけど、悪いときはサイドに張って、逃げるというか消極的な誰でもできるプレーをしてしまう。誰でもできないラストパスだったり、技術の部分をもっと突き詰めたいと思います」

(取材・文 児玉幸洋)


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Source: 大学高校サッカー

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