[11.3 高校選手権広島県予選準決勝 瀬戸内高 5-2 沼田高 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場]
効果的な2得点だった。瀬戸内高は前半3分(40分ハーフ)に先制点を奪われたが、8分にFW上岡士恩(3年)が同点ゴール。後半33分に失点して4-2で迎えた37分にはダメ押しの5点目を決め、勝利に貢献した。
FW片岡優(2年)の左からのセンタリングを右足で合わせた前半8分の得点は、先制されて焦りが生まれかねない状況で決めた価値ある一撃で、「すぐに良いボールが来たので、流し込むだけだと思って落ち着いて蹴った」と振り返る。後半33分の得点は、右サイドで片岡からのパスを受け、右足で「いつも練習している形」というニアサイドへのシュートでネットを揺らした。
今年2月に右膝の後十字靭帯を痛めて約3か月の離脱。復帰後はインターハイ予選にも出場したが、その後は調子が上がらず、選手権予選が始まる前はプリンスリーグ中国で得点から遠ざかっていた。
しかし初戦となった決勝トーナメント1回戦で1得点を挙げると、続く準々決勝ではハットトリック。この日の2得点で3試合6得点とゴールラッシュを続け、「クロスからのシュートやヘディングの高さが武器」と語る持ち味を発揮している。
決勝の相手は、昨年度の予選決勝で敗れている広島国際学院高。先発した昨年度はシュート1本のみで無得点に終わり、0-1で敗れた。雪辱を期す舞台は、今年初めて決勝の会場となるサンフレッチェ広島のホームスタジアム、エディオンピースウイング広島だ。
サンフレッチェのホームゲームでボールパーソンをしたことがあり、「すごい雰囲気でした。あの場所でサッカーができる」と心待ちにしている。もちろんプレーするだけではなく、狙うのは「ゴールを決めて、チームを勝たせる」こと。覚醒したゴールハンターが、チームを3年ぶり3回目の出場に導くべく燃えている。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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