次期五輪監督選考にJFA影山技術委員長「引っ張るより早く決められれば」ロス世代・U20アジア杯への招集調整も進行中

今秋、U20アジア杯予選を突破したU-19日本代表
 日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長が8日、技術委員会後にメディアブリーフィングを行い、2028年のロサンゼルス五輪のU-23日本代表監督の選考について「後に引っ張ることよりも早く決められればと思っている」と展望を述べた。

 2005年以降に生まれた選手が対象となるロサンゼルス五輪は、現在のU-19日本代表を中心とする世代。同代表は来年2月には中国でU-20W杯最終予選にあたるAFC U20アジアカップ、来年9〜10月にはチリでのU-20W杯本大会をそれぞれ控えており、現在は船越優蔵監督が指揮を執っている。

 影山技術委員長はこの日、船越監督がU-20W杯まで指揮を執るかという問いに対して「間違いない」と返答。「U-20W杯は世代別といえどもW杯で、僕も(2019年に監督として)出たが、あの場には立たせてあげたい。海外選手の招集など難しさもあるが、W杯でいい成績をもたらして、タフな戦いをしてもらいたい。そしてその先の五輪やSAMURAI BLUE(A代表)につながるような選手をどんどん経験させたい」と期待を口にした。

 来年のAFC U20アジア杯を4位以内で突破し、U-20W杯の出場権を獲得した場合、ロサンゼルス五輪代表の立ち上げは秋以降になる。もっとも、五輪世代の監督選考はU-20W杯終了を待つのではなく、より早い段階で行われる可能性が高そうだ。

 影山技術委員長はこの日、パリ五輪でも明らかになった五輪世代の選手招集の難しさについて触れた上で「五輪をどう考えるかを技術委員会でも話し合いをした中、選手を呼べないとしてもポストユースの世代をグッと押し上げる、SAMURAI BLUEにつながっていく層をグッと上げるのに大事な大会だということを確認した」と説明。新監督の選考について「急がなくてもいいが、決めなくてもいいわけではないと考えている。人に関わること、契約に関わることなので、いまこうなっているということはまだ申し上げられないが、次なる世代をグッと上げるためにいい方向にいくためには、後に引っ張ることよりも早く決められればいいなというふうに思っている」と現状の意向を明かした。

 なお、この日の技術委員会では来年2月のU20アジア杯に関し、Jクラブとの選手招集に関するルールづくりも話し合ったという。

 影山委員長は「U-20でW杯に出ること、世界に向けてアジアを勝っていくという中で、U20アジア杯の組み合わせが決まったが、最終予選は厳しいじゃないですか。その中でもあそこを抜けていった先に選手が一皮剥けるというのを(Jクラブの)皆さんは認識されている」と世代別代表活動の現状に手応えを示しつつ、「ただ、中心選手になってリーグ戦に絡むという大事な準備の時期でもあるので、それをどう日本サッカーとして考えるかが重要」とJクラブにも配慮。「AFC公式大会は直前キャンプに選手を出すというのが基本ルールとしてあるが、選手やクラブにとっても重要な時期であると言うことで、招集人数はクラブに寄り添った形で、お互いWIN-WINになるものを作れないかということで話し合っている」と招集人数に折り合いをつける方針で議論を進めていると明かした。

 加えて海外組の招集についても「クラブの中で活躍してもらうことも重要な中で、この大会を通して選手が成長すればメリットですよねということを丁寧に説明し、その接点をどう見つけてもらうことができるか」と欧州オフィスとも協力しながら取り組んでいく構え。これまでU-20W杯は2017年以降3大会連続で出場している、「日本が国際的な大会に参加し、国際的な大会を経験できるのはこういった場面に限られる。さまざまな難しさがある中でも連続して大会に出て、W杯でできるだけ上に行きたいというところにチャレンジしないといけない。話し合いを丁寧に行って、能力のある選手に参加していただきたいと考えている」と協会・リーグと連係し、世界舞台への挑戦権を勝ち取っていく意気込みを示した。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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