[11.9 J1第36節 柏 1-1 新潟 三協F柏]
1週間前のルヴァン杯決勝に続く、後半アディショナルタイム弾だ。1点を追いかけるアルビレックス新潟は、後半AT4分にDF藤原奏哉が同点ゴール。ゴール裏をオレンジとブルーで染めた新潟サポーターは歓喜に包まれた。
劇的な幕切れで、勝ち点1差でひとつ下の順位の17位柏に入れ替えられることなく敵地での一戦を終えた。追いついた選手たちを讃えつつも、会見に出席した松橋力蔵監督は満足のいく結果ではなかったと語る。
「物語は必要ないんです。勝ちたいんです本当に。 選手も勝ちたいですし、こうやって我々をサポートしてくださるみなさんにも勝ってる姿を届けたい」と語気を強めた。ドラマティックな展開の「すべてを否定するわけではない」と強調し、残留を争うチーム同士でメンタリティが難しい一戦であったことを認めつつも、勝ち点3をつかめなかったことを悔やんだ。
新潟から見れば劇的な試合結果といえるが、柏レイソルからすると4試合連続の悲劇だ。
第34節・町田戦で後半ATにPKで追いつかれて1-1で終えた柏は、続く第25節延期分・浦和戦でも後半ATにPKを決められて、0-1で敗戦。前節・福岡戦は後半AT2分にセットプレーの流れからFW岩崎悠人に決勝弾を許し、1-2で敗れている。
そして、今節。勝ち点1差で追いかけるひとつ上の順位の16位新潟に対して、FW細谷真大のゴールで先制するも、またしても後半ATにゴールを許してしまった。これで4試合連続の後半AT被弾。すべてが勝負の結果を左右しており、直近4試合の後半ATで失った勝ち点は「6」に及ぶ。残留争いを演じる柏にとってはあまりに大きな損失だ。
「ゲームの終わらせ方、締めくくり方というところは、ここ3試合悔しい思いをしてきた中で、また今日もその時間帯に追いつかれてしまった」と試合を振り返った柏の井原正巳監督は、「我々の緩さ、隙、それが自分の指導不足を含めて出てしまっている」と勝ち点を積み上げきれない結果に、悔やむ言葉が続く。
「今日であれば、敵陣でのFKでもっと時間を最後効果的に使えた部分もあったと思いますし、最後のゴール前のところ、下がっての守備の強度であったりとか、そういうところも言い続けてきていますが、また同じ部分で失点をしてしまってるので、そこを断ち切るためにはやり続けるしかない、意識し続けるしかないと思っています」
他会場では降格圏の18位磐田が敗れたため、勝ち点差は「6」に広がった。ただし、磐田は消化試合が1試合少なく、第37節を前に勝ち点差が「3」になる可能性もある。残留へ向けて5試合ぶりの勝利なるか。柏は次節、ホームに現在首位の神戸を迎える。
(取材・文 奥山典幸)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2024シーズンJリーグ特集
Source: 国内リーグ
コメント