[11.9 高校選手権島根県予選決勝 明誠高 5-1 益田東高 島根県立サッカー場]
準決勝までの出場3試合で3得点を挙げていたエースが、決勝の舞台でも2得点。明誠高FW池田龍心(2年)が持ち味の決定力を見せつけ、チームを初めての全国大会出場に導いた。
前半5分(40分ハーフ)に先制された直後、同期のFW高橋星和(2年)と「俺たちなら2、3点返せるから、と話していた」という。その言葉を現実にした1点目は、2-1とリードして迎えた35分。縦パスを高橋に落としてから相手の背後を取り、高橋のパスを呼び込んでフリーに。「GKが駆け引きしてくると分かっていたので、冷静に見て流し込むことができた」という右足シュートでニアサイドを破った。
後半10分にはエリア内右サイドでCKのこぼれ球が目の前に来たところを、ワントラップから左足でファーサイドへ。不意に来たボールだったが、「落ち着いてトラップしてGKを見たら、ニアサイドに寄っていたので、ファーサイドを狙った」という冷静なフィニッシュで仕留めた。
試合前は「緊張していて、シュート練習でも全く入らなかった」と振り返る。だが最後の1本が決まり、勝勇規コーチに「それでいこうと言ってもらって、得点のイメージができた」ことが、価値ある2得点につながった。
C大阪などでのプレー経験を持つ元Jリーガーの白谷建人監督は「練習試合や公式戦で起用して、エースとしてやらなければいけないと意識させてきた」という。自身は国見高(長崎)2年時の選手権予選決勝でハットトリックを達成しており、池田が3点目のチャンスを決められなかったことを「言うことなし、ではないですね。俺は2年生のときにハットトリックしたぞ、と言っておきます」と笑ったが、目をかけてきた教え子の活躍は頼もしかったに違いない。
予選4試合5得点の自信を胸に、初めての全国へ。明誠の10番を託されたストライカーは「ずっとテレビで見て、あこがれていた舞台。全国でもゴールを決めて、このチームで少しでも長く試合ができるように頑張りたい」と意気込んでいた。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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