[11.15 W杯最終予選 日本 4-0 インドネシア ジャカルタ]
まさに「流れを変える」という言葉がふさわしいスーパーセーブだった。
日本代表は0-0の前半10分、敵陣でセカンドボールを拾われると、相手の鋭いカウンターを受け、DF板倉滉がFWラグナー・オラットマングーンに裏を取られる大ピンチ。しかし、そこにGK鈴木彩艶(パルマ)が立ちはだかった。
ペナルティエリア右に走り込んだ相手は右足でシュートを打つと見せかけ、ゴール正面にボールを持ち出したが、鈴木は落ち着いて距離を詰めると、最後は股下を閉じるモーションでブロック。日本はその後、前半33分に先制点を奪ったこともあり、森保一監督も「耐えないといけないところを耐えたところが勝因につながった」と称える大仕事だった。
試合後、報道陣の取材に応じた鈴木は「慌てずに対応できた。相手がドリブルで運んできて、自分の間合いでうまく詰められた。最後カットインで内側に運んだ瞬間、取れるなと感じた」とその場面を回顧。勝負を分けたのはセリエAの失点経験を糧にした、相手の取りうる選択肢を全て潰すかのようなプレー判断だった。
「相手がどうするだろうという予測は考えないようにしていた。イタリアでもあのようなシーンで遠目からシュートを打たれて失点したことがあって、間合いをうまく詰められたらチャンスになると思った。そこがうまくできてよかった」(鈴木)
また前半33分の先制点の場面も、インドネシアがハイプレスに出てきたのに対し、鈴木の冷静なパス判断を起点にビルドアップをやり直し、右サイド起点の攻撃に導いたことが起点となっていた。
「僕にプレッシャーがかかっていても連動していなかったので、自分にプレッシャーがかかってもうまくCBにつけ切ることを意識していた。それが(得点につながって良かった)」(鈴木)
クセのあるピッチに苦戦する選手が多かった中でも「ピッチ状況を含めて難しいことはしようとしていなかったし、落ち着いてプレーできた」と鈴木。チームを救うスーパーセーブと落ち着き払った攻撃関与——。たくましさを増す日本の守護神が、際立つパフォーマンスで敵地の完勝劇を導いた。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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