大分を飛び立つ前にチームメイトから「引いてこい」と発破をかけられてきたという。選手宣誓を決める抽選箱から選手権応援マネージャーの月島琉衣さんが引き当てたのは14番の札。自分では見えなかったという志賀杏陸(3年)だが、周りの視線が自身に集まったことで大役が回ってきたことが分かったという。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
「驚いた気持ちが一番。だけどチームメイトから引いてこいって言われてたので、嬉しい気持ちと、責任持って最後までこの仕事をやりとげたい。これまで支えてくださった方々への感謝の気持ちと、この大会への意気込みを言葉で表現できたらなと思います」
組み合わせ抽選の結果、“リベンジマッチ”となることも決まった。大分舞鶴高自体は14年ぶりとなる全国選手権の舞台だが、昨年度大会で大分県代表だった柳ヶ浦高が帝京大可児高(岐阜)に初戦で敗退。そして奇しくも大分舞鶴の今大会初戦の相手も、帝京大可児に決まった。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
杏陸(あんり)という名前は、元フランス代表のティエリ・アンリ氏に由来する。ちなみに弟の快音(かいと)も元オランダ代表のディルク・カイト氏から、三男の琉人(りひと)は元スイス代表のステファン・リヒトシュタイナー氏からつけられたという。
緊張は「しないタイプ」で、宣誓文には「ちょっとは面白い部分も入れられたら」とユーモアも盛り込む構想を密かに明かす志賀。12月28日に行う開会式は、サッカー好きの一家にとっても一世一代の晴れ舞台になるはずだ。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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