運命に導かれた対戦になった。米子北高(鳥取)の主将FW鈴木颯人(3年)が先に16番の札を引く。「なんか15番引きそうだなみたいな感じがありました」。前橋育英高(群馬)の主将MF石井陽(3年)はその予感通り、1回戦の対戦が決まる15番の札を引いた。
2人は実は中学時代を前橋FCで過ごした元チームメイト同士だった。前日からLINEで「やれたらいいね」と連絡を取り合っていたという2人。特に今年の3年生の代は、鈴木を含めた4人が前橋FCから米子北に進学。「本当にやれるんだな」。抽選会後に目を合わせた2人からは自然と笑みがこぼれていた。
両チームとも今季は高校年代最高峰のプレミアリーグに所属。個人的な因縁を差し引いても、1回戦屈指の好カードであることに変わりはない。そしてともに日本一を目指すうえで避けては通れない対決だったと気を引き締める。
前橋育英は今年夏のインターハイはまさかの県予選敗退に終わった。ただ冬に向けて「自分たちの弱さをもう1回見直すきっかけになった」(石井)。夏場以降、プレミアリーグでも成績を残せるようになってきたと自信を深めている。
一方の米子北はインターハイ本戦でベスト4に進出。ただ準決勝で神村学園高に惜敗した結果に悔しさを持って取り組んできた。鈴木は「自分たちは日本一を目指している。個人的な感情は抜きにして頑張りたい」と気を引き締めた。
前橋育英と米子北の1回戦は12月29日、浦和駒場スタジアムで行う第1試合で対戦する。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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