[11.16 関東大学L2部第22節 日本体育大 0-0 慶應義塾大 日体大横浜・健志台キャンパスG]
1部昇格への挑戦を繋いでくれた仲間に感謝し、大学サッカー最後の一戦に臨んだ。MF小澤亮太(4年=昌平高/山口内定)は16日の関東大学リーグ2部最終節・慶應義塾大戦で9試合ぶりに先発出場し、勝ち点1を掴んで8年ぶりとなる1部復帰を決めた。
小澤は1部の有力選手が揃う関東選抜Aにも選出される実力者で、日本体育大でもレギュラーを張っていた。チームは2017年以来の1部復帰に向けて自動昇格圏の2位のままシーズン後半戦に突入。しかし「ほぼほぼが教育実習に行く」日本体育大において小澤も例外ではなく、実習のため9月の後半から約1か月間の離脱を余儀なくされた。「本当に忙しくて練習もできなくて…」という実習期間は応援するために会場に足を運び、そのまま実習先に戻るという生活だったという。
また「(実習を終えて)帰ってきても体力とかが上がらなくて」とコンディションの回復に苦戦。全22節のリーグ戦で昇格争いの佳境にあたる第14節から第20節まで欠場することとなった。
それでもチームは2位をキープし続け、最終盤の残り2節を迎えることに。3位以下との勝ち点差も詰まる中、小澤は第21節の城西大戦でベンチ入りして1-0でリードする終盤の後半39分から出場した。「やっと出られたときは久しぶりだし、これに勝たなきゃ終わりだっていうところだった」と大きな緊張を感じながらピッチに入ったものの、そのままリードを保って試合終了を迎えることができた。
続く最終節、結果次第では入れ替え戦圏の3位に転落するという状況で小澤が第13節以来のスターティングメンバーに戻った。相手は首位の慶應義塾大と力のあるチームだったが、0-0で引き分けて2位フィニッシュを確定。小澤は「楽しみました」とフル出場し、歓喜の瞬間をピッチ上で味わった。
「本当に後輩たちが頑張って繋いでくれて、同い年も頑張って繋いでくれた。先週やっと途中から出られたんですけれど、最後の最後にスタメンで出させてくれた矢野さん(監督)に本当感謝です。本当は結果を残して終わりたかったんですけれどなかなかコンディションも上がらずに、でもやることはやれたかなという感じです」
大学でチームの目標を達成した小澤が次に向かう舞台はJリーグ。レノファ山口FCから始まるプロキャリアだが、厳しい日々が待ち受けていることは承知している。というのも昌平高時代の同期であるMF須藤直輝、MF小川優介、MF柴圭汰、FW小見洋太は高卒でJリーグへ進んだものの、プロの壁に阻まれている現状を目の当たりにしているからだ。「レベルアップしないとこれから先の世界は難しくなってくる」と小澤。だからこそ大学での経験を無駄にしたくない。
「今も自分がもし高卒で(Jリーグに)行っても多分無理だったなと思います。この4年間で矢野さんに面倒を見てもらって、サッカー選手としてもそうですけど人間性が育ったと思います。自分的には良い4年間だったなと」
山口に練習参加する中でフィジカル面やドリブルの自信を深めた一方、クロスやシュートの精度には課題を感じた模様。「活躍するのはそんなに簡単じゃない」と覚悟する大舞台で躍進するため、来季に向けて今年の残る期間でも鍛錬を積む構えだ。
(取材・文 加藤直岐)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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