[11.24 プレミアリーグWEST第20節 大津高 2-1 静岡学園高 大津町運動公園球技場]
清水内定のボランチが、“優勝決定戦”でも攻守両面で輝いた。大津高(熊本)のU-18日本代表MF嶋本悠大(3年=ブレイズ熊本出身)が後半17分に中央からのラストパスでMF溝口晃史(3年)の決勝点を演出。また、守備でも技巧派揃いの静岡学園高(静岡)の前進を止め、パスカットを連発していた。
「(静岡学園は)やっぱりドリブルが上手いチームで、自分が我慢できずに突っ込んだらかわしてくるチームなので、そこは自分の間合いっていうか、 持たせる、タッチ数を多くさせるっていうことを意識しました。(パスカットについては、)前からプレスかかって制限される中で、予測でそこは上手く今日できたかなと思います」。特に後半は中盤の攻防戦で巧みに相手の前に身体を入れるなど、幾度もマイボールに変えていた。
プレミアリーグWESTでは、11得点。最近は毎試合のように対戦相手の厳しいマークを受けているものの、“慣れた”。正確なボールタッチとドリブルも得意とする嶋本だが、この日はシンプルに周囲の選手を活用してシュートシーンを演出。要所でドリブルを繰り出して決定的なシーンを創出した。「練習の時から(マークに)付かれるのは想定した中で練習してたんで、山城(朋大監督)先生も自分に付けた練習っていうのをしてくれてたんで、その分、この試合で上手く剥がしていたっていうのはとても良かったかなと思います」。試合を通して落ち着いたプレー。強豪校対決勝利と優勝に貢献した。
「自分の理想としては、やっぱり守備も、攻撃もできる選手がほんとのボランチだと思ってるんで。守備もできるっていうのは、(テクニカルアドバイザーの)平岡(和徳)先生も評価してくれてるんで、そこでチームに貢献できたのはとても嬉しかったです」
下級生から公式戦を経験している嶋本は1、2年生の頃、プレミアリーグで優勝することが「自分の中でめっちゃ遠かった」と明かす。昨年は中盤の要を担っていたものの、どこか先輩たちへの遠慮もあって、自分のプレーができていない面もあった。だが、昨年の経験者を多く残し、各選手の意識も非常に高い今年、当初の目標だったという残留を大きく上回ってタイトルを獲得。その中心選手として躍動した10番は、「マジで嬉しかったです。(今年は)やっぱ自分の色っていうか、自分のしたいサッカーができるようになったのが1番良かったかなと思います」と微笑んだ。
進路である清水のJ2優勝、J1昇格から刺激を受けている。「嬉しいですけど、J1に上がったらやっぱ補強もあると思うんで、その人たちを超えていかないといけない。もうやらないといけないっていうか、もうその舞台に行くなら、やっぱ1年目から、何ならもう新シーズンのスタートから、スタメン取って活躍したいなと思います」。これから求められるのはJ1で活躍するレベルの質や強度、スピード感。そのために、今冬、厳しい戦いの中でより進化を遂げて清水入りする。
この日、プレミアリーグWESTで優勝したことにより、日本一をかけたプレミアリーグファイナルへの出場権(12月15日、EAST優勝チームと対戦)を獲得。そして、12月28日には選手権が開幕する。「日本一になれる可能性があと2回あるんで、その1回目っていうファイナルしっかり勝って、先生を喜ばせたいなと思います」。注目ボランチが攻守両面で自分の特長を発揮し、日本一に輝く。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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