[11.30 J1第37節 柏 1-1 神戸 三協F柏]
前半開始5分にセットプレーから先制点を許したヴィッセル神戸。守備陣で最年長のDF酒井高徳は、ディフェンスラインに発破をかけ続けたという。
「たとえば、0-0でいってるんだったら(失点は)0で、0-1だったらそのまま1でいくことが、自分たちがもう1回チャンスをつかめるきっかけになることが、チームとしてすごく浸透している。今日もディフェンスラインには口酸っぱく言ったんですけど、『1以上は絶対するな』って」
柏レイソルの選手が2点目をとれなかったことを悔やんだように、神戸は失点シーン以外にも決定機をいくつか許している。それでも、0-1で推移していったからこそ、後半ATに同点で追いつくことができた。「守備のベースがしっかりしてるからこそ、やっぱ攻撃も安心していけると思う」と酒井は強調する。
後半途中まで酒井がマッチアップしていたのは、柏レイソルの大黒柱であるFWマテウス・サヴィオだ。同じ左サイドのDFジエゴとともに、多くのチームが名前を挙げて警戒を強めている。「非常にいい選手」と酒井もサヴィオを評する。
「結構サイドの選手って頑なにサイドにいる人が多いんですけど、 割り切ってポジションを動くので、僕が掴めないところにいたりすることが多くて。遅れていったりとか、掴みきれなくて、他を使われたりしてたんで。インテリジェンスのある、技術のある、非常にいい選手だなと改めて感じました」
「今日は苦戦しました」とサヴィオとのマッチアップを回想する酒井だが、リーグ屈指の攻撃的MFであるサヴィオを11試合ぶりのシュート0に押さえ込んだ。
後半アディショナルタイムのMF武藤嘉紀の得点で1-1とした神戸は、自力優勝の可能性を残したまま最終節を迎えることができる。「みんなが諦めないで戦ったと思うし、結果的にはこの『(勝ち点)1』はポジティブな『1』だったと思う」と吉田孝行監督。神戸の最終節は12月8日、ホームに湘南ベルマーレを迎える。
(取材・文 奥山典幸)
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