日本サッカー協会(JFA)は12日、2028年のロサンゼルス五輪を目指す日本代表チームの監督に大岩剛氏の就任が決まったと発表した。大岩監督は今年夏のパリ五輪でU-23日本代表を率いており、五輪に23歳以下の年齢制限が導入されたバルセロナ五輪以降では史上初の続投となった。
大岩監督の続投は12日のJFA理事会で正式に決議。メディアブリーフィングを行った影山雅永技術委員長によると、パリ五輪後には「何人かの候補には当たっていた」といい、複数候補からの選考となったようだ。
そうした中、影山技術委員長は「さまざまな難しさの中で選手たちが変わりながらも、彼らの良さを活かして、チームとしてまとまりを見せて、あれだけの成果を出したことを高く評価していた」と述べ、難航した選手招集の中でチームをまとめ上げた大岩監督の働きを評価。「もう一度、難しい舵取りの中で、日本サッカーのポストユースをさらに広く高くするために力を貸してくださいというのがわれわれからのオーダーになる」と選手育成も含めた期待を述べた。
ロス五輪の目標については「ノルマでここまで行けというのは考えていない」と影山委員長。強化と育成の両立に目を向け、次のようにビジョンを掲げた。
「メダルを取れれば一番いいが、ポストユースは各国もさまざまな課題を抱えていて、非常に難しい世代。そうした選手に数多くチャンスを与えて、もし誰かが五輪に出られなかったとしても代わる選手が入ってきて活躍する、それで層は厚くなる。日本のポストユースの選手の可能性を広げて、次のA代表につなげる。もしかしたらそれは五輪の結果よりももっと重要になるかもしれない。もちろん我々は両方を取ってほしいが、パリ五輪でもそうしていただいたと考えている」(影山委員長)
もっとも、パリ五輪直前に難航した選手招集については協会としても教訓にしていく構えだ。影山技術委員長は「選手の招集が難しくなっているのは日本だけではないが、日本の若手選手にとっては五輪の価値は他の国より高い。選手自身は出たい、日の丸を背負ってその舞台で戦いたいと思っている。そういう思いを持っている選手を今回は招集できなかったが、次までに何ができるのか。もしかしたらクラブとの交渉でもっといい交渉ができたかもしれないし、選手のエージェントさんと何かを話し合うことができるのかも含め、さまざまな角度からもっと掘り下げて、もっと大岩監督をサポートできるようにしなければならない」と危機感も口にしていた。
ロス五輪の出場資格を持つ2005年以降生まれの世代別日本代表は現在、来年のU-20W杯を目指し、U-19日本代表として活動中。大岩監督は同代表には入閣せず視察にとどめ、引き続き船越優蔵監督が指揮を執るという。一方、羽田憲司コーチが同代表のアシスタントコーチに入閣し、世代の橋渡しを担う。
(取材・文 竹内達也)
Source: サッカー日本代表
コメント