森保J、先発10人変更でトルコに圧勝!! 伊藤敦の代表初ゴールに中村敬2発、初招集DF毎熊も鮮烈デビュー戦アシスト

FW中村敬斗が2ゴール

[9.12 キリンチャレンジ杯 日本 4-2 トルコ ゲンク]

 日本代表は12日、ベルギー・ゲンクのセゲカ・アレーナでのキリンチャレンジカップでトルコ代表と対戦し、4-2で勝利した。9日のドイツ戦(○4-1)から先発10人を入れ替えたが、MF伊藤敦樹(浦和)のA代表初ゴールとFW中村敬斗(スタッド・ランス)が2ゴールで3点を先制。A代表デビュー戦のDF毎熊晟矢(C大阪)もアシストを記録すると、そこから2点を返されたが、最後は途中出場のMF伊東純也が“凱旋”ゴールを沈め、欧州遠征を2連勝で終えた。

 森保一監督はドイツ戦に続いて4-2-3-1の布陣を採用し、先発は左サイドバックのDF伊藤洋輝を除いた10人を入れ替えた。GKには中村航輔が入り、4バックは左から伊藤洋、DF町田浩樹、DF谷口彰悟、毎熊。ダブルボランチはMF田中碧と伊藤が組むと、2列目は左からFW中村敬斗、MF久保建英、MF堂安律が並び、1トップにはFW古橋亨梧が起用された。町田と毎熊はこれがA代表デビューとなった。[スタメン&布陣]

 立ち上がりは両チームともリスクを避けながらロングボールを多用し、落ち着かない展開。それでも日本は徐々にGKを起点にビルドアップを開始すると、トップ下の久保が低い位置に降りる形で安定感をもたらしていった。

 すると前半16分、日本が試合を動かした。右サイドで相手を剥がした久保がドリブルで前進し、ペナルティエリア際まで攻め込むと、バックパスを受けた田中が毎熊に横パス。これで相手を中央に寄せ、右サイドで堂安と伊藤敦が幅を作る。サイドで受けた伊藤敦はシュートフェイントからカットインし、同アントのワンツーで左足一閃。豪快なミドルシュートをゴール右上隅に突き刺した。

 日本にとってはファーストチャンスでのスーパーゴール。6月シリーズで追加招集され、キリンチャレンジ杯エルサルバドル戦の途中出場でA代表デビューを飾った伊藤は初先発でA代表初ゴールとなった。

 さらに勢いに乗る日本は前半20分、久保と毎熊のワンツーで右サイドを打開し、久保がドリブルで持ち上がると、絶妙なタイミングでスルーパスを配球。これに古橋が完璧な形で抜け出したかと思われたが、ファーストタッチからのシュートは打ち切れず、相手にアプローチされてのこぼれ球から左足で狙うも、枠を外れた。

 それでも前半28分、日本は久保が低い位置でタメを作ると、右サイドをオーバーラップした毎熊にふわりとした浮き球パス。毎熊からのクロスは相手に跳ね返されるも、こぼれ球を拾った中村敬が拾い、久保がゴール正面から左足を振り抜く。これは相手GKに防がれたが、跳ね返りに詰めた中村敬が冷静に流し込んだ。

 さらに日本は前半36分、毎熊が高い位置までプレッシャーをかけてDFオヌル・ブルトからボールを奪い切ると、そのまま縦に走って冷静に中の様子をうかがい、低い弾道でのクロスボールを供給。これを受けた中村敬が冷静に右足で沈め、この日2ゴール目を奪った。また毎熊はA代表デビュー戦で初アシストとなった。

 スタジアムには大勢のトルコサポーターが集まっていたが、0-3とされた怒りから日本応援ムードに。するとトルコも徐々に攻め気を見せるようになり、勢いのある攻撃を展開。前半43分にはMFイルファン・ジャン・カフベジが毎熊と入れ替わってファウルを獲得すると、MFオルクン・コクチュのFKをファーでDFメルト・ミュルドゥルが折り返し、DFオザン・カバクが押し込んで1点を返した。

 日本はそのプレーでカバクと交錯した中村航が右肩を負傷。前半アディショナルタイム3分、急遽ウォーミングアップを行ったGKシュミット・ダニエルを投入した。その後もトルコに攻め込まれる時間が続いたが、シュミットの上背を活かしたパンチングなどでさらなる失点は免れた。

 3-1でハーフタイムを迎えた日本は後半開始時、中村敬、堂安、毎熊を下げてFW前田大然、MF伊東純也、DF橋岡大樹を投入。伊東はかつて3年半にわたってプレーしたゲンク凱旋ということで、スタジアムには地元のファン・サポーターやチームスタッフが詰めかけており、一際大きな拍手が鳴り響いた。

 日本は後半10分、伊東のクロスに対して久保がニアに潜り込み、相手のクリアに足を合わせてゴールを狙うも、ボールは惜しくも左ポスト。同14分には田中のパスが相手に奪われ、カウンターを許したが、数的不利の中で町田がパスカットに成功すると、カウンターで持ち運んだ伊東のスルーパスに古橋が抜け出す。だが、シュートも左に外れてオフサイドの判定。得点にはつながらなかった。

 すると後半16分、日本は1点差に詰め寄られた。ダイナミックなサイド攻撃で4バックの脇をFWジェンギズ・ウンデルに攻め込まれ、フリーの状態でシュートを打たれると、DF陣が処理し損ねたボールをFWベルトゥ・ユルドゥルムに押し込まれた。

 なんとか突き放したい日本は後半18分、中央を攻め上がった久保のスルーパスに前田が抜け出し、左足で絶妙な折り返しのパスを送るが、古橋のダイレクトシュートは右ポストに直撃。同19分には伊藤敦に代わり、MF遠藤航が投入された。

 後半28分、日本は古橋が背後に抜け出そうとしたカウンターが不発に終わり、反対にカウンターを食らうと、カフベジのドリブル突破に町田が振り切られ、左足で決定的なシュートを放たれる。だが、これはシュミットがスーパーセーブ。直後の30分にも2失点目と同様の形で相手をフリーにさせたが、MFユフス・サルのシュートもシュミットが阻んだ。

 すると後半31分、ゲンク凱旋の男が沈滞ムードを一気に打破した。右サイドの低い位置で受けた伊東は爆発的なスピードで縦に持ち出すと、ペナルティエリア内まで切れ込んだところでMFイスマイル・ユクセクに倒されてPKを獲得。自らキッカーを務めると、冷静に右に蹴り込んだ。伊東はこれで6月のペルー戦、9日のドイツ戦に続いて3戦連発。A代表通算12ゴール目となった。

 後半34分、負傷した町田に代わってDF冨安健洋を投入。同36分には左サイドを突破した伊藤洋のクロスに田中が合わせたが、惜しくも枠を外れた。その後は遠藤、冨安がピッチに入ったことによって守備の安定感がもたらされ、そのままタイムアップ。森保ジャパンが欧州遠征を2連勝で締め、選手層の厚さも示す国際Aマッチウィークとなった。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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