FC東京と早期プロ契約も苦しい1年過ごした18歳MF佐藤龍之介「自分はクラブで出ていないぶん…」U-19国内合宿で価値示す1G1A

MF佐藤龍之介(FC東京)
 来年2月のAFC U-20アジアカップを見据え、シーズンオフに組まれたU-19日本代表の国内合宿。今年夏にはパリ五輪のトレーニングパートナーを経験し、ロサンゼルス五輪でも中心を担う期待が寄せられているMF佐藤龍之介(FC東京)がしっかりと状態を整え、高い基準でのアピールを見せた。

 19日の合宿最終日に行われた流通経済大とのトレーニングマッチでは、30分×3本のうち1本目の30分間のみの出場となったが、開始早々にFW井上愛簾(広島)のゴールをアシストすると、10分には「気持ちかったっす」と自画自賛のニア抜きのミドルシュートで自身の得点も記録。「結果を出すことが大事というのは前から言われているけど、プロの世界ではより感じている。自分はクラブで試合に出ていないぶん、こういうところで結果やパフォーマンスをアピールしないといけない」。さすがの1ゴール1アシストで自身の姿勢を表現した。

 高校2年生だった昨年8月にFC東京とプロ契約をかわした佐藤は今季、高校3年生ながらトップチームの活動に専念。日本代表ではパリ五輪のトレーニングパートナーとして。大会直前の強化試合フランス戦に五輪本メンバーに混じって出場するなど、飛躍の1年となった反面、FC東京ではJ1リーグ戦わずか3試合出場という苦しいシーズンを過ごしてきた。

「開幕のメンバー入りも期待できる立ち位置でキャンプに臨めたけど難しかった。いいパフォーマンスをして次の週に(メンバーに)入ると思っても外されたりして、ちょっと萎えることもあった。試合に出ることが大事だとは思いつつも、割り切ってやっていた」(佐藤)

 J1レベルでも通用する自信があるからこそ、その日々はより苦しいものだった。それでも佐藤は苦しい時間と向き合う中で、ただ葛藤を抱え続けるのではなく、他者にぶつけるのでもなく、自身の成長につなげるためのマインドセットを身につける機会にしていたようだ。

「やることをやっても出してくれないものは出してくれない。自分がコントロールできないところに感情を向けてもメンタルが持たないだけ。シーズン後半は自分にフォーカスして取り組めた。監督が代わって来季どうなるかはわかっていないけど、プロとしての取り組み方を身につけられたと思う」(佐藤)

 その間には試合出場のルーティーンの中ではなかなか継続しにくいフィジカルトレーニングに取り組むなど、個人のレベルアップに尽力。「メンバーに入るためにプレーをするのがプロとしてもいいのかもしれないけど、自分はそうした時よりも何を伸ばせるか、自分の武器をどう磨くかにフォーカスしないと下手になってしまう。練習時間も長くはないし、練習試合があるわけでもないので、いま磨けるところだけを頑張ってきた」と振り返った。

 その日々の成果は来季、ピッチの上でぶつけるつもりだ。かねてより佐藤に期待を寄せている大岩剛監督がロサンゼルス五輪に向けた代表チームも指揮することが決まり、主軸を担っていく期待が寄せられる中、「チームの中心となるべき存在だと思うので、自分に責任を負ってやっていきたい」と力を込める。

 ただ、まずは「そうなるためにも所属チームで出場することがマスト。呼ばれたところでどう活躍するかも日常の試合が大事だと思う。そこを求めていきたい」とリーグ戦での出場機会に目を向け、日々の取り組みの質を上げていくつもりだ。

「来年が勝負の年だと思っている。個人としても代表としてもそう。特に自分はベスト16で負けたのでそこは絶対に越えたい。アジア杯でも絶対に優勝して世界に挑みたい」。代表活動で掲げる目標は明確。そのためにも「来季はしっかり出場機会を増やして、サッカー選手としてより一人前になっていきたい」と所属クラブでレギュラーを奪う覚悟だ。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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