今年一年間での成長を示した場となった。U-19日本代表候補のトレーニングキャンプは19日に流通経済大との練習試合で終了。プロ2年目は川崎フロンターレからのレンタルで福島ユナイテッドFCに加入し、J3リーグ32試合8得点という結果を残したMF大関友翔は、この試合でも1ゴールを記録した。「今年一年間、福島でゴールに関わるところは自分自身成長したところ。そこはアピールしたいと思っていたので、今日もゴールという形でアピールできたのはよかった」と振り返った。
16日から始まったトレーニングキャンプの締めは、流経大との3本30分形式の練習試合となった。1本目の布陣は3-4-3。スタメンの大関は2ボランチの一人として出場し、15分にはチーム3点目もマークした。2本目も引き続きプレー。この試合は参加した27人全員に均等に出場時間を与える狙いもあるため、大関は17分で途中交代した。
シーズンが終わって時間が経つなか、大関はランニングやボールを使った自主トレでコンディション調整を行い、この合宿に照準を合わせてきた。ゴールという結果以外にも際立ったのはロングボールの質。1本目の開始4分には中盤から右サイドライン際に大きく展開させ、MF佐藤龍之介(FC東京)の突破を演出した。そのまま佐藤のパスからFW井上愛簾(広島)が先制点。大関が起点となって早々にスコアを動かした。
ロングボールは指揮官からのタスクのひとつだという。「以前から船越(優蔵)監督にもプレーの幅を広げてほしいという話はもらっていた。そういう意味でロングボールや状況を変えるボールを、なかなか福島のサッカースタイル的には活用していなかったけど、そこは意識次第でできること。今日はうまくいった」。得点関与だけでなく、ゲームメイクの質にもこだわった結果となった。
12日には中村憲剛氏の引退試合がUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われ、大関も参加。2023シーズンにトップチーム昇格後、同年のACLグループリーグ第6節・アウェーでの蔚山現代戦で公式戦デビューは飾っていたが、プロとしてホームのピッチに立つことなく24シーズンから福島へ。ひさびさのホームにも思いを馳せる。
「ユースぶりで、プロになって等々力では出れていない。ひさびさだったけど、やっぱりピッチに立ちたいなと思った。そのためにレンタルで成長していると思うので、一日でも早く立ちたいという思いは強くなった」
武者修行での成長で、顔つきには自信ものぞかせる。実戦経験の価値は、今回の合宿にも参加したFW神田奏真からも感じているという。神田は静岡学園高を卒業後に今季から川崎F入りした大関の一学年下の後輩。今シーズン終盤に大関と同じくACLでプロデビューを飾るとその試合で初ゴールを記録し、次戦では初アシストも挙げていた。
大関はU-18日本代表からともにプレーする後輩の活躍に、「静岡学園のときより自信を持ってプレーしている」と目を見張る。「そういう意味でやっぱり試合に出ると違うんだなというのは感じた。(出場試合も)観ていたけど、出たらなんかやってくれる期待感があるのはすごい」。自身も今シーズンピッチに立ち続けたからこその実感を、改めて口にしていた。
来シーズンの去就はいまだ未定だが、「一年福島で積んだ経験をどのチームにいても発揮したい」(大関)。来年9月のU-20ワールドカップ出場を懸けたU20アジアカップは2月と間近だ。「なにより(U-20)W杯があるので、自分の評価をしてもらえる場がたくさんある年。本当に最初からフルエンジンでいければ」と飛躍の年にすることを誓っていた。
(取材・文 石川祐介)
Source: サッカー日本代表
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