[12.18 インカレ決勝ラウンドDグループ 東洋大0-1日本大 岐阜メモリアルセンター長良川メドウ]
東洋大(関東3)はDグループを首位で突破した。2点差で負けなければグループリーグ突破が決まる中で、第3戦は日本大(関東6)に0-1で敗戦。日大に勝ち点で並ばれたものの、逆転は許さず、ノックアウトステージ進出を決めた。
中1日で3試合を戦ったグループステージ。井上卓也監督は「ターンオーバーを使って選手をを管理したいところですが、それほどの選手層もないので」と謙遜したが、第2戦でMF新井悠太(4年=前橋育英高/東京V内定)を、第3戦でDF稲村隼翔(4年=前橋育英高/新潟内定)をベンチで温存させる戦いをみせていた。
ただどうしても3試合ともに出場しなければいけない選手も出てくる。フィールドプレーヤーではDF荒井涼(3年=日大藤沢高)とDF山之内佑成(3年=JFAアカデミー/柏内定)の2選手が3試合にフル出場した。
山之内は第1戦の関西大戦を本職の左SBで出場したが、第2戦の常葉大戦と第3戦の日大戦はCBで出場。DFラインのメンバーが代わる中で、3試合1得点と安定したゲーム運びをみせた。「簡単に失点しないチームにはなってきている。さらに失点しない中でちゃんと点が取れるチームにはなってきている」。山之内もチーム力の向上に手ごたえを感じている。
今季より常葉大を指揮する津田恵太監督は、高校時代に過ごしたJFAアカデミー時代に指導を受けた一人だった。常葉大戦は「津田さんの前で自分が成長した姿を見せられればと思って試合に臨んでいた」と気持ちが入っていたことを明かす。「試合後はどういう分析をしていたとかそういうところまで話をしました」。3-0で勝つという“恩返し”ができたことが何より嬉しい様子だ。
今年6月に26年の柏レイソル入団が発表になった山之内は、特別指定選手登録も済ませたが、柏で試合に出場することはなかった。そもそも「中断期間にちょっと行ったりしただけ」で、今季は大学を中心に時間を過ごしていたという。そして来季も「柏の試合に出て、チームの勝利に少しでも貢献したい」という思いを持つが、今のところは大学の活動をメインにしたい考えでいる。
ただ今年、1学年先輩の稲村が新潟で大ブレイク。稲村も大学3年生の6月に入団内定を発表、大学3年時は新潟で1試合も出場しなかったが、4年生になって一気に新潟での活動を増やしていった。山之内の未来も大きく変わる可能性は十分にある。「隼翔くんが高いレベルでやれているのは刺激だったり、学ぶところはある。自分もそれを目標に、それを越さないといけないと思ってやっていきたい」。
まずは今季の大学サッカーをしっかりと締めくくること。インカレの戦いは、負ければ終わりのノックアウトステージに入る。「チームの目標の全国優勝に向かって、グループリーグで怪我をしたポンセの思いとか、東洋の代表として責任を持って、悔いを残さないようにやっていきたい」。悲願の日本一へ向けた士気は十分に高まっている。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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