[12.25 高円宮杯U-15準決勝 鹿島Jrユース 3-6 G大阪Jrユース 味フィ西]
両チーム合計9ゴールの打ち合いとなった高円宮杯準決勝、その口火を切ったのはガンバ大阪ジュニアユースの10番だった。
0-0で迎えた前半8分、ペナルティエリア右にポジションを取ったFW城阪光喜(3年=DREAM FC)はDF岡元侑大(3年=同)からの斜めのパスを受けると、ワントラップから振り向きざまに右足一閃。シュートは完璧な弾道でゴール左上隅に突き刺さり、「僕もビックリしました」と本人も照れ笑いのスーパーゴールが決まった。
もっともシュート練習を積み上げてきた自負はあった。「人一倍練習前にシュート練習はするようにしているんで、それが出てよかったです」。その上、パスを出した岡元は「物心つく頃から一緒でずっと親友」という間柄で、ゴールパターンも「小学校からずっと変わらず」に決めてきた形。この日は岡元と共にプレーしていたDREAM FCの桑野皓太コーチもスタンドに訪れていたといい、恩師に示すホットライン弾となった。
城阪は相手が退場者を出した後、前半38分にも追加点を決め、唯一の複数得点で勝利に貢献。ただ、自身のパフォーマンスに完全に満足したわけではなさそうだった。
その理由は、10人で戦う中で2ゴールを挙げた鹿島ジュニアユースFW高木瑛人(3年)の存在だった。高木はすでに高校年代の高円宮杯プレミアリーグEASTで出場機会を確保し、初ゴールも挙げている中、城阪は「この世代でも別格ですし、あれを目指して越していかないと日本代表にはなれない」と危機感を吐露。「いまは足元にも及ばないけど、これから先意識していきたい」とライバル意識を燃やしていた。
そんな城阪だが、この鹿島戦はもう一つモチベーションを燃やす要素があった。試合後、城阪に憧れの選手を聞くと「皮肉なことに(笑)日本で言ったら鹿島アントラーズの鈴木優磨選手です」と意外な回答。ストライカーとしてスピードタイプではないことを自認しているからこそ、動画などで参考にしているのだという。
「守備もできるし、ボールを収めて点も取れるし、格好いいっすね」。そう素直な憧れを口にした城阪にとって、深紅のユニフォームを相手に決めた2ゴールは格別の喜び。その勢いを2日後にも継続すべく、決勝・浦和ジュニアユース戦に向けて「次の決勝はハットトリックをできるようにやっていきたい」と高らかに宣言した。
(取材・文 竹内達也)
●高円宮杯第34回全日本U-15選手権特集
Source: 大学高校サッカー
コメント