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[12.28 選手権開幕戦 帝京高 2-1 京都橘高 国立]
登録173cmのCBが、帝京高(東京B)の生命線になっていた。CB畑中叶空(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)は、「(京都)橘さんは守備のチームっていうのは分かってたんで、先制されたらキツイっていうのはみんなの中であって、とりあえず一旦ゼロで」と意識してプレー。味方選手たちの動きがやや硬かった前半から見事なカバーリングを連発し、その前に幾度も立ちはだかっていた。
「常に首振ってるので、状況把握っていうのはできてたかなと思います」と畑中。相手が対角へのボールを増やしてくる中、隣の左SBラビーニ未蘭(3年)のサポートを怠らずに続け、自身とのスピード勝負になった際は個の力で止め切っていた。
この日はCBコンビを組むU-18日本代表DF田所莉旺(3年)が京都橘高FW伊藤湊太(2年)のドリブルに苦戦。かわされ、シュートまで持ち込まれそうになるシーンもあったが、畑中が鋭くカバーしてブロックした。
「莉旺に切る方向行って誘ってもらって、そっち側(空けていた方向)に自分が行くっていう感じを意識していました」。特に後半は自身でも“頭が回っている”感覚があったという。判断良く身体を動かし、要所を封鎖。バルセロナの逸材17歳、CBパウ・クバルシを参考にしているというラインコントロールでオフサイドトラップを計8度も成功させていた。
「(クバルシは)ライン管理がとても上手くて、帝京が結構ハイラインでオフサイドに引っ掛けられているのはそれを結構参考にしています」。オフサイドトラップについては、最近意識して始めたというが、京都橘の米澤一成監督も帝京のDFラインを称賛するほど相手を困らせていた。
この日、畑中は自身の攻撃面について満足していなかったものの、ドライブするドリブルやショートパスで相手のプレッシングを攻略する力を持つ。CBとしては小柄で特別な評価を得ている訳では無いが、攻撃面のクオリティもとても高く、攻守で輝くことのできるCBだ。
「(187cmの田所)莉旺の方が注目されるのは分かっているんですけど。別にそんな注目されたいっていう訳じゃないんですけど、でも裏で支えてればいいかなって。(今大会で自分の良さが色々な関係者に)バレてくれたら」と微笑。帝京の先輩MF押川優希もプレーする産業能率大へ進学予定のDFは、武器や空中戦も向上させて3バックの一角やウイングバックで活躍してプロ入りすることを目指していく。
今大会はあと2回、国立競技場でプレーするチャンスがある。帝京進学前の2021年度選手権準決勝を国立競技場で見ている畑中は、「中学の時に国立で準決勝を見に来たんですけど、親と『ここでプレーできたらいいね』っていう話をしていて。開幕戦で、国立でできたのはいいんですけど、準決勝、決勝とまた国立でやる舞台があるので、しっかりここに戻ってこれるように、みんなで気を引き締めてやっていきたい」と誓った。“カナリア軍団”帝京のDFラインの要が、活躍を続けてあと2回、国立競技場で躍動する。
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(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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