[12.29 選手権2回戦 正智深谷高 2-1 長崎総合科学大附高 NACK]
後半29分からクローザー投入された正智深谷高の1年生センターバックが圧巻の空中戦を何度も繰り出し、NACK5スタジアム大宮に集まった満員の観衆を大いに沸かせた。試合後、小島時和監督は「高いし、キックもあるし、足も速いし、楽しみな1年生。自信を持って送り出せる選手です」と太鼓判を送っていた。
公式登録のフィジカルデータは172cm、80kg。「見た目はラグビーっぽい感じ」と指揮官が評するように、DF岸田琉来(1年=坂戸ディプロマッツ)の分厚い身体は1年生と思えないほどに仕上がっている。
岸田によると、恵まれたフィジカルは「生まれつきです(笑)」。筋力トレーニングは「たまに上半身をするくらい」だそうだが、180cm台の選手とも互角に競り合える跳躍力は中学時代から武器としていたという。
この日が全国デビュー戦。出番が訪れたのは迎えた後半29分だった。「先輩の代なのでもし出たら勝たせてあげたいという思いで出ました。自分はジャンプ力とヘディングが一番の強みなので、試合で出せたらいいなと」(岸田)。4バックから5バックへの布陣変更の一角を担った中、「相手がデカかったので競りやすいなと思って楽しみにしていた」と勇敢にピッチに立った。
その結果、長崎総合科学大附の鍛えられたFW陣を空中戦で圧倒。最長身185cmのDF島田俐亜武(3年)がパワープレーで上がってきた場面では空中戦の機会がなく、「競れなかったので悔しい」とひそかに未練も残したようだが、上々の全国デビュー戦となった。
すでに身長の伸びは止まっているため、将来的にはボランチやSBでのプレーを視野に入れており、坂戸ディプロマッツ時代から鍛えてきた技術にも「自信はついてきた」という岸田。今大会では今後も守備固めの起用が想定される中、「青森山田とやってみたい。みんなゴツくて背がでかいのでワクワクします」「点も決められたらいいなと思います」と野心も胸にさらなる飛躍を誓った。
(取材・文 竹内達也)
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Source: 大学高校サッカー
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