堅守のイメージを変える。「新しいチャレンジ」の矢板中央が積極的に仕掛け、157cmFW堀内凰希の決勝点で岡山学芸館撃破

矢板中央高の10番、157cmFW堀内凰希は自分の武器を発揮し、決勝点を決めた
[12.29 選手権1回戦 矢板中央高 2-1 岡山学芸館高 フクアリ]

「堅守速攻と攻撃的なサッカーと融合した新しいチャレンジをしたい」。伝統の堅守で選手権3位4回。この日も矢板中央高(栃木)はGK藤間広希(3年)やDF佐藤快風主将(3年)を中心とした堅守で強力攻撃陣を擁する岡山学芸館高を封じ込んだ。加えて、高橋健二監督のいう「新しいチャレンジ」が白星に結びついた。

「今年の3年生は1年からドリブルとかやりつつ矢板中央の守備力を強調してやっている。距離感近くして、ダイレクトプレーとかスルーとか、とにかく攻撃ゾーンでは自分たちの能力を最大限発揮し、もうドリブルでも何でも自由にやれっていう風に言ってます」と指揮官は説明する。

 これまで4度跳ね返された全国準決勝の壁を超えるために、今年度はシーズン当初から3バックの攻撃スタイルへシフト。高橋監督は「(243人の部員から)ハードワークできる、そして個々の技術のあるやつを今、レギュラーとして起用しています」という。その技術力を強豪対決で発揮。縦に速い攻撃に加え、FW堀内凰希(3年)やMF渡部嶺斗(3年)、MF平野巧(2年)のドリブルを交えた攻撃でチャンスを作り出し、ゴールも奪った。

 後半17分に平野がドリブルで2人をかわしてからの右足シュートで先制した。さらに後半38分には右WB{永井健慎}}(2年)が、右サイドを突破。「1本1本にこだわってきた」という堀内が右足で決めて2-0とした。その後、1点を失ったものの、2-1で勝利。強敵を下し、2回戦へ進出した。

 堀内はチームの攻撃面で自信を持っているところについて、「速い攻撃だったり、自分たちボール持てるので、みんな個人個人がそういうので絶対負けないっていうのはみんな意識しています」と説明する。

 10番は「矢板中央=堅守」というイメージを変えたいという思いを持っている。「今年(攻撃的なスタイルに)変わったので、変わったところも今年の選手たちで見せていきたいと思ってます」。その堀内は、自身が変わったことも選手権で証明する意気込みだ。

 堀内は157cmの小さなアタッカー。長野パルセイロU-15から堅守速攻の矢板中央へ進学した際には否定的な声も聞こえていたという。それでも、前線の柱へ成長して選手権で決勝ゴール。「みんなに出れない、出れないみたいな感じで言われてたと思うので、やっぱそこで出て活躍して、見返して、俺はここまで上手くなったぞみたいな、ちょっと思いはあります。(今後も)やっぱり1試合1点はマストで決めていきたいと思いますし、結果を残し続けるっていうのは絶対意識してることなので、結果を出し続けていきたいと思っています」。10番は自分のスキルを発揮しながらゴールを連発することを目指し、矢板中央と自身の印象を変える。

(取材・文 吉田太郎)


●第103回全国高校サッカー選手権特集
▶部活生の足元を支える新素材!カンガルーレザーからSILKYWRAPへ
Source: 大学高校サッカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました