正智深谷の得点源は“浦和の太陽”に憧れる左足! 攻撃的左SB鹿倉颯太がCKと縦パスで2ゴール演出「完璧でした」

DF鹿倉颯太(3年=VITORIA KAMUIジュニアユース)(写真協力『高校サッカー年鑑』)
[12.29 選手権2回戦 正智深谷高 2-1 長崎総合科学大附高 NACK]

 指揮官も「点を取る時はだいたい鹿倉から」と信頼を寄せる正智深谷高の左サイドバックが、2点に絡む大活躍で8年ぶりの白星をもたらした。試合後、左SB鹿倉颯太(3年=VITORIA KAMUIジュニアユース)は「この集大成の大会で自分のキックを活かせてよかった」と胸を張った。

 まずは0-0の前半37分、この試合で最初のCKで結果を出した。鹿倉の蹴ったアウトスイングの左CKは相手にクリアされたが、続けて右CKを獲得すると、今度はインスイングキックにDFMF小西聖七(3年=同)が反応。ニアサイドで合わせたヘディングシュートがネットを揺らした。

「自分たちのセットプレーで予選からコーナーキックでの得点が多くて、一番の長所でもあったので、ここで決めてやるという思いはあった。ずっと押し込まれているのでここで決めようという気持ちでいた。1本目のキックが感覚的にめっちゃ良くて、そこから続けて2本目だったのでここで決めるしかない状況だった。キックも当たって決めてくれて良かった」(鹿倉)

 中学時代からチームメートでもある小西がニアサイドで合わせる得点パターンは「練習でやっているのと全く同じ感じで狙いどおりだった」といい、「完璧でした」と自画自賛の鹿倉。「浦和レッズが好きなのでめっちゃ見ていた」という憧れの“浦和の太陽”MF柏木陽介を彷彿とさせる柔らかいプレースキックは、全国の舞台でも輝きを放った。

 さらに1-1と追いつかれた後の後半13分、今度は攻撃の組み立てでも違いを見せた。高い位置でキックフェイントを入れ、相手をいなすと、鋭い縦パスをMF吉田匠吾(3年=FC CORUJA)の足元へ。そこからの崩しでMF近藤七音(3年=FC多摩ジュニアユース)の決勝点が生まれ、鹿倉は起点を担う形となった。

「相手がマンツーでサイドに食いついてくるので、吉田匠吾くんが空いていた。そこに早い縦パスを送ればなんとかできると思っていた」。MF登録で左SBを務める鹿倉はもちろん「攻撃参加が強み」。磨き上げてきたキックを活かすためには「攻撃参加を多くしていきたいと思っていた」というなか、見事に結果に結びつけた。

 県予選では2つの直接FKを含む3ゴールを奪うなど、得点力も兼ね備えており、さらなる飛躍が期待される今大会。鹿倉は初戦突破にも満足せず、2回戦・東福岡戦に向けて「今日は初戦の難しさでボールを持つのをビビっていたのもあったけど、相手が強くなる中では自分たちがやりたいことをやれないと勝っていけない。もっとチャレンジしていきたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)


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Source: 大学高校サッカー

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