[1.11 選手権準決勝 東福岡高 1-3 前橋育英高 国立]
FWオノノジュ慶吏(3年)は出場試合での連続ゴールこそ止まったものの、2アシストの活躍で前橋育英高(群馬)を7大会ぶりとなる決勝に導いた。
前橋育英は東福岡高(福岡)を相手に、今大会初めて先制を許す展開となった。それでもオノノジュは帝京大可児高(岐阜)と対戦した3回戦(○3-2)の経験を口にしながら、冷静に戦えていたことを示す。
3回戦では帝京大可児のパスワークに翻弄されて2点のリードを追い付かれると、その後相手に退場者が発生しながらもスコアを動かせずに時間が経過。前橋育英は終盤になんとか勝ち越し点を奪って勝利したが、山田耕介監督が「(相手が)11人だとどうだったんだろうなという感じはします」と振り返ったように苦しみながらの勝利だった。
オノノジュは改めて「帝京大可児は本当に強くて。10人であれなので」と凄みを述べながら、「帝京大可児を経験したからこそ、比較的楽に試合を進められたかなと。1失点をしても焦らず育英らしいサッカーができたかなと思います」と手応えを示す。FW佐藤耕太(3年)が後半3分に奪った同点弾は、帝京大可児戦でハマらなかった前からのプレスでボールを奪って得点に繋げたというもの。チームの修正力を発揮する1点だった。
前橋育英は同点直後の後半9分に佐藤が鮮やかなミドルシュートを決めて逆転すると、同13分にはMF白井誠也(2年)が勝利を手繰り寄せる3点目を決めた。この2点をアシストしたのはいずれもオノノジュ。今大会3戦4発(2回戦は欠場)のエースにゴールこそ生まれなかったが、「2アシストできてチームの勝利に関われたのはすごい嬉しいです」と爽快に語った。
佐藤のゴールをアシストした際には、スーパーゴールぶりに思わず頭を抱えていた。オノノジュはともに2トップを組む同期の活躍に笑顔を見せる。
「サトコウがゴラッソを決めたときは『まじかよ』みたいな。『そんなシュート打てんのかよ!練習でも見たことない』って思っていたんですけど、やっぱり決めるのは運だけじゃないし、ああいうところで決められるのは凄い尊敬している。自分も国立のピッチで点を決めたいと思いました」
リスペクトを示す同期との戦いも残るは1試合、日本一の座を争う決勝のみ。オノノジュは「泣いても笑っても最後の試合なので、悔いの残らないような試合にしたいです」と意気込み、「次も自分がゴールを決められるかは分からないですけど、勝利に貢献できるようなプレー、そしてできればゴールも決めたいと思っています」と大観衆が集まる国立競技場での躍動を誓った。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー
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