決勝はPK戦10人目で決着!前橋育英が7大会ぶり2回目の全国制覇!

前橋育英高が7大会ぶり2度目の日本一。(写真協力=高校サッカー年鑑)
[1.13 選手権決勝 前橋育英高 1-1(PK9-8)流通経済大柏高 国立]

 前橋育英が2017年度大会以来の日本一! 第103回全国高校サッカー選手権は13日、東京・国立競技場で決勝を行った。前橋育英高(群馬)と流通経済大柏高(千葉)が対戦。前橋育英が1-1(PK9-8)で勝ち、2017年度以来2度目の全国制覇を果たした。

 前橋育英は初優勝した2017年度大会以来の決勝進出。先発はGK藤原優希(3年)、DFラインは右SB瀧口眞大(2年)、CB久保遥夢(2年)、CB鈴木陽(3年)、左SB竹ノ谷優駕(2年)、中盤は初戦以来の先発となった柴野快仁(2年)と石井陽主将(3年)のダブルボランチ、右SH黒沢佑晟(3年)、左SH平林尊琉(2年)、前線は今大会4得点のFWオノノジュ慶吏(3年)と準決勝2発のFW佐藤耕太(3年)がコンビを組んだ。

 一方、流経大柏は2018年度大会以来の決勝進出。2007年度大会以来の優勝をかけた一戦の先発は、GKが加藤慶太(3年)、DFラインは初戦以来の先発となる右SB堀川由幹(3年)、ともに主将を務めるCBコンビ、佐藤夢真(3年)と奈須琉世(3年)、左SB宮里晄太朗(3年)。中盤は稲田斗毅(3年)と飯浜空風(3年)のダブルボランチ、右SHが準決勝決勝点の柚木創(3年)、左SH亀田歩夢(3年、富山内定)、 前線は4得点のFW山野春太(3年)とFW粕谷悠(3年)がコンビを組んだ。湘南内定のFW松本果成(3年)は準決勝で負った怪我の影響でベンチ外となった。

 ともにプレミアリーグEAST所属し、今季の成績は1勝1敗だった。また、2017年度大会決勝(前橋育英が1-0で勝利)の再戦となった名門校対決は開始50秒、流経大柏の左SB宮里がインターセプトから持ち上がって左足でファーストシュート。その後は前橋育英のオノノジュがパワーを活かして前進し、流経大柏も山野がスペースへ抜け出してクロスへ持ち込む。立ち上がりから強度の高い攻め合いとなった決勝は、流経大柏が先制した。

 前半12分、流経大柏は相手DFラインからボランチに入ったボールを飯浜が敵陣中央でインターセプト。山野、飯浜が潰れてこぼれたボールを亀田が回収すると、巧みなステップのドリブルから右足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。

 前橋育英は反撃。石井中心に敵陣でボールを回収し、石井のスルーパスなど、テンポ良くボールを動かすシーンが増やす。そしてセットプレーや柴野のドリブルからのラストパスなど立て続けにゴール前のシーンを創出。流経大柏は奪い切れずに後退するも、奈須、佐藤の両CBのところで跳ね返すなど決定打を打たせない。

 その流経大柏は山野がドリブルでPAへ切れ込んだほか、柚木のスルーパスに粕谷が走り込むが、これは前橋育英右SB瀧口がスライディングでカット。そして、前橋育英は右クロスから佐藤が右足シュートを放つなど流れの良い時間帯に1-1とした。31分、前橋育英はオノノジュが相手DFのキックを身体に当て、左からクロス。これをファーで拾った黒沢がゴールライン際でのターンでDFを抜き去る。そして、クロスを上げると、中央の柴野が頭で押し込んだ。

 追いついた前橋育英は、柴野や石井、平林らのパス交換などで相手の中盤を攻略。左サイドからのスルーパスにオノノジュが走り込んだほか、黒沢のドリブルが止まらなかった。勝ち越しのチャンスを作るが、流経大柏はGK加藤の飛び出しで何とか凌ぐ。流経大柏は山野にボールを集めるも、前橋育英の鈴木、久保、竹ノ谷らが対応。1-1で前半を折り返した。

 流経大柏は後半、相手のハイプレスに苦しみながらもボールを保持する時間をやや増やすと10分、左中間の山野の落としから亀田がラストパス。粕谷がコントロールから右足を振り抜くが、前橋育英GK藤原が横っ飛びでセーブする。前橋育英は直後に平林と準決勝1得点の注目ドリブラー、MF白井誠也(2年)を交代。オノノジュのクロスなどがゴール前に入るが、流経大柏はゴール前で粘り強く守る。

 流経大柏は18分、堀川、宮里、柚木から右SB富樫龍暉(3年)、左SB幸田爽良(3年)、右SH和田哲平(3年)へ3枚替え。守備能力の高い選手たちが投入されたことによって敵陣でのセカンドボール回収や、セットプレー、シュートを増やす。

 だが、26分に和田が負傷し、左SH安藤晃希(2年)と交代。亀田をトップ下、広範囲に守る稲田を右サイドへ移して対応した。一方の前橋育英は38分、黒沢とオノノジュに代え左SH中村太一(3年)とFW大岡航未(2年)を投入。直後に佐藤が負傷したため、左SHに牧野奨(2年)を加え、中村を前線へ移した。

 前橋育英は43分、白井のパスから柴野が決定機を迎えるがシュートは枠上。流経大柏は幸田がドリブル突破を止めるなど、相手の武器を消し、セットプレーから2点目を狙う。だが、スコアは動かず、1-1のまま試合は延長戦へ突入した。

 延長前半、前橋育英が押し込むが、シュートは流経大柏DF陣がブロック。流経大柏もサイド攻撃、セットプレーで攻め返していたものの、前橋育英は集中した守備で決定打を打たせない。延長後半も前橋育英FW大岡が左足を振り、流経大柏がカウンターを狙うなどゴールを目指し合ったが、相手の堅い守備を破ることはできない。9分には流経大柏FW山野が縦パスから強引に左足シュートを放つが、前橋育英CB久保がブロック。10+1分にもカウンターから粕谷が右足を振り抜いたが、前橋育英GK藤原の正面だった。

 1-1のまま延長戦を終え、2020年度大会の山梨学院高(山梨)対青森山田高(青森)戦以来となる決勝でのPK戦決着に。PK戦は互いに7人目まで成功したが、先攻・流経大柏8人目を前橋育英GK藤原が止める。だが、直後の前橋育英のシュートは枠上。それでも前橋育英はGK藤原が10人目を再び止める。最後は前橋育英の柴野が決め、9-8で激闘を制した。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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