初めて世界に挑んだ2023年秋のU-17W杯から1年あまり、U-20日本代表MF佐藤龍之介(岡山)が次なるステージで再び世界を目指す。今月中旬開幕のU-20W杯予選のAFC U20アジア杯を控え、国内合宿に合流した18歳は「W杯につながる大事な大会でもあるし、個人としても良い舞台でプレーできる楽しみがある。この大会に向けて準備してきたので楽しみ」と意気込んだ。
佐藤は23年のAFC U17アジア杯を中心選手として戦っており、“W杯予選”のムードは経験済み。その大会はグループリーグ開幕戦でウズベキスタンに1-1で引き分けた後、その後の5試合をいずれも3得点以上のゴールラッシュで勝ち抜き、優勝にまでたどり着いたが、アジアの戦いに警戒を怠ることはない。
「難しい戦いになるのは前提に戦う必要がある。初戦は固さもあるだろうし、アジアは独特の雰囲気がある。自分はそれを経験させてもらっているので、ブレずにやることでチームをいい方向に導ければと思う」(佐藤)
アジア予選に良いイメージがあるのも確かだが、今回のチームは昨年秋、U20アジア杯予選(W杯1次予選)で開催国キルギスを相手に0-0の苦戦も経験。「雰囲気に飲まれた印象があった。プロでたくさん出ている選手も少ないので、そういった舞台でも動じないメンタリティーをつけて、外的要因にブレないチームになる必要がある」と教訓にしていくつもりだ。
佐藤自身にとって今季は、所属クラブでも大きな勝負の1年となる。
高校2年次の一昨季途中にFC東京とプロ契約を交わし、昨季はシーズン開幕からプロ選手として活動したが、J1リーグ戦の出場機会はわずか3試合。今季は「より試合に出て、1年間戦っていくことが今後の未来にとっても良いことだと考えた」と、J1初昇格を果たしたファジアーノ岡山への期限付き移籍を決断した。
よく言われる“武者修行”ではなく、J1レベルの選手であることを証明するための移籍決断。「東京にはいい選手がたくさんいて、自分が責任を負うことよりも“試合に絡んでいく”という立場だったけど、岡山では自分がチームの中心選手として戦っていく自覚がある。チームを勝たせていきたい」。そう力を込めた佐藤は「非常に良いキャンプを過ごせているし、自分としても良いチームに来たと思う。代表で抜けるのは惜しいけど、良い成長をして、勢いを持って入りたい」と岡山への思いも胸にこの代表合宿にやってきた。
そんな岡山では、すでにプレシーズンのトレーニングマッチを戦っており、3-4-2-1のウイングバックを務めた様子。生粋の“10番”タイプとあり、「自分はシャドーのポジションで考えている」と矜持をのぞかせる佐藤だが、不慣れなポジションも「試合に出るためにはウイングバックでも全然いい。成長できるポジションではある」と前向きに取り組もうとしているようだ。
現在はA代表でもMF三笘薫、MF堂安律、MF伊東純也、MF中村敬斗といった攻撃的な選手がウイングバックを務めており、世界で戦うためにはウイングバックでプレーできるような守備強度も必須要素。「攻撃も守備もどっちもできるようにならないといけないし、かなり自分の特徴を発揮できる印象もある。全然そこで勝負しても戦える自信はある」。まずは与えられたポジションで役目をまっとうし、存在感を高めていく構えだ。
「試合に出ていかないといけない世代で、試合に出ているだけでは刺激にならない。自分も試合に出て結果を残して、ようやくJ1の選手として認められると思うので、もっともっと上の世代に食らいついていきたい」(佐藤)
すでに同じロサンゼルス世代のDF小杉啓太(ユールゴーデン)、FW後藤啓介(アンデルレヒト)は欧州カップ戦の舞台に立っており、「海外でもトップレベルで活躍している選手がいる中、そこに視点を向けてやっていきたい」と佐藤。まずはその大きな覚悟をU20アジア杯の舞台で表現することで、世界に挑むための足がかりを掴む。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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