[2.4 練習試合 U-20日本 3-1 長野 高円宮記念JFA夢フィールド]
あと半月遅く生まれていれば、立場は違っていたかもしれない。2005年1月1日生まれ以降で編成されるロサンゼルス五輪世代に、2004年12月17日生まれのDF行徳瑛が選ばれることはない。
ただそんないじわるな質問も笑顔でかわした。「貰う刺激はありましたよ。同い年の大関(友翔)や桒原(陸人)とか、昔からよく知っている仲なので、久々に試合がやれて嬉しかった」。同世代の顔見知りの選手との再会。AC長野パルセイロの背番号4は、U20アジアカップを前に調整を行うU-20日本代表との練習試合の1本目と2本目に3バックの一角として出場した。
また直接対決とはならなかったが、静岡学園高の後輩GK中村圭佑(東京V)とも会場で顔を合わせた。「中村とは年末にもご飯に行ったし、試合前にちょっとだけ話をした。いい刺激を貰いながら、開幕に向けていいトレーニングマッチができたのかなと思います」。試合には敗れたが、チーム状態には納得の表情もみせていた。
覚悟のレンタル延長となった。高校年代屈指のCBとして2023年に名古屋グランパスに入団した行徳だったが、プロの壁は厚く、1年目の23シーズンはルヴァンカップ1試合に出場したのみ。2年目の24シーズンも天皇杯1試合の出場にとどまると、夏に長野への育成型期限付き移籍を発表した。
しかし昨年9月14日の奈良戦にフル出場してデビューを飾ったものの、3日後の同17日の練習中に右膝内側側副靱帯を損傷。そのままシーズンの終了を迎えた。ただこのままでは終われない。「試合経験を積んで伸ばしていきたいので、延長を決断しました」。昨年末にもう一年、長野でプレーすることを正式表明した。
怪我の回復も順調な様子。新シーズン始動のタイミングではまだ部分的な合流だったが、順調にコンディションは上がっているという。この日も45分×2本をしっかりと戦い抜いた。「開幕まであと1週間くらいですけど、いい準備がしたい」。ポジションは3バックの右。比較的自由に攻撃参加できることからも、自身の良さがより発揮できると手ごたえを感じている。
そして何より、「めちゃめちゃポジティブな期間」と振り返る名古屋での1年半の成長を証明するつもりでいる。「普段の練習からトップレベルの選手とやれて、1年目にはバックラインには中谷(進之介=G大阪)くんがいてすごく参考になったし、ユンカーやマテウス、永井謙佑くんとのマッチアップも大きかった。もちろん試合に出たい思いはあったけど、練習から自分の身になるようなトレーニングを積めていたのかなと思います」。
高校時代に絡みのあった選手の飛躍も刺激として捉えている。中学、高校の2学年先輩で、CBでコンビを組んだこともあるDF関根大輝は拓殖大、柏レイソルを経て今冬よりフランス・リーグ1のスタッド・ランスに加入。「正直びっくり」と先輩のステップアップに素直な感想もあるが、「でも高校の時からいい選手だった。人間性の部分も素晴らしかったし、高校の時はキャプテンとしてやってくれていたので学ぶことも多かった」。関根と同級生だった加納大が、今季から長野でチームメイトとなることにも縁を感じている。
そして今冬の高校選手権では後輩たちがベスト8の成績を残した。主将DF野田裕人は今季より川崎フロンターレでプレーする。野田らの学年は行徳が3年時の1年生。「負け方は悔しかった(東福岡にPK負け)と思うけど、本当にいいサッカーをしていたし、結構苦しんだ代だと思うけど、選手権ではいろんな人を楽しませてくれた。野田もJリーグにやってくるので、いい刺激になっています」。後輩たちの“押し上げ”にも気持ちを高ぶらせている。
今季は結果を残す年。行徳自身も「次は試合に出てさらに伸ばしていくという段階に来ている」と強調する。「攻撃面で自分の武器を出しながら、まずは守備があってのCBなので、一人で守れるレベルにならないと出場機会はつかめない。今季を通して試合に出続けることにフォーカスしたい。そこでしっかりと自分を出して、名古屋に戻って、J1でスタメンを取ることを目指してやっていきたい」。今後のサッカー人生における分岐点になるかもしれない勝負の1年が、始まる。
(取材・文 児玉幸洋)
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