[新人戦]粘り強さや対応力を発揮した山形中央が東北大会で2勝し、3位。苦戦続く山形県勢に「少し勇気も与えられたのかなと思います」

優勝歴を持つ公立の伝統校、山形中央高は9大会ぶりに東北新人大会準決勝進出。3位に
[2.3 東北高校新人大会準決勝 学法石川高 1-0 山形中央高 JヴィレッジP3]

 3位表彰と父母たちへの挨拶を終えると、ピッチに蹲って涙する選手たちの姿があった。近年、山形県勢の初戦敗退が続く中、山形中央高(山形3)は2勝も準決勝敗退に悔し涙。羽角哲弘監督は「彼らが1番悔しがってるから、いい感じじゃないですか。夏に向けて、何か放っておいても、自分らでやるような感じもあるんじゃないですかね」と目を細めていた。

 新チームが目標にしてきたのは、東北1勝。1回戦、被シュート1の堅守とMF金子龍之介(2年)の決勝点によって宮城王者・東北生活文化大高に1-0で勝利し、第1目標を達成した。すると、準々決勝ではゲーム主将MF白田耀大(2年)の先制PKと10番FW山岸聖弥(2年)の2発によって前回大会準優勝の帝京安積高(福島3)に3-0で快勝。山形県勢8大会ぶりとなる準決勝進出を果たした。

 準決勝でも学法石川高(福島2)と互角の戦い。相手の縦に鋭い攻撃に対し、豊富な運動量と強度が特長のボランチ・白田やデュエルに秀でたCB高橋宣登(2年)とCB武田峰碧(2年)の両DF、そして高校からのGK転向ながら安定したキャッチングを見せていた阿部悠大(2年)を中心に粘り強い守りで対抗した。

 1人が前へ出たら、そのスペースを埋めること、穴ができたところをカバーリングするなど、各選手が自分たちのやるべきことを徹底。原理原則の部分は「練習中から口酸っぱく言ってきました」(羽角監督)という。今年は例年に比べてやや上手さを欠く部分があるものの、フィジカル能力の優れた選手が多いという世代。1対1の局面などで粘り強く頑張れるところ、また状況に応じて柔軟に守る力を準決勝でも披露していた。

「私たち(指導陣)、ベースはこう教えるんですけど、ピッチの中でジャッジするのは選手たちなので、そういう意味で、色々な状況に応じて自分たちがどうしなきゃいけないのかっていうことを、柔軟に判断できるような力がついてるんじゃないですかね」(羽角監督)

 また、指揮官は「メンタル的なところの充実がありましたかね。3日間で1日1日こう、グッと上がってくる様子はこっちからも分かりましたよね。前向きっていうか、昨日よりも少しでも今日良くなろうっていうかね、次に繋げてこうっていうマインドが育ってきたのかなと思います」と頷く。準決勝の後半には、山岸が相手の背後を取るなどチャンスも作ったが、試合終盤の失点によって0-1で惜敗。それでも、選手たちは山形のチームでも「やれる」ことを印象付けた。

 山形県勢は全国高校選手権で現在、18年連続初戦敗退中。羽角監督は「山形の高校生たちのために、勇気を与えられるようにみんな頑張ろうっていうことで、選手たちも取り組んだと思うんですけどね」と語る。

 また、白田は「目標は東北1勝っていう感じでやってきたんですけど、練習試合重ねるごとに自分たちが県外のチームでもどんどんやれていくっていう感じで、この大会前も自分たちに自信があったんで、他のチームからしたら『山形なんで勝てない』っていう目で見られるかもしんないですけど、やっぱり1つになって戦った結果がここまで来れたのかなと思っています。山形、ここ最近勝ててなかったんですけど、自分たちなら勝てると思ってたんで、そこで勝てて、少し勇気も与えられたのかなと思います」と胸を張った。

 大会最終日まで残って戦えたことは、今後へ向けて間違いなくプラス。白田は「やっぱり山形とプレーの強度が全然違うんで、その試合全部通して強度を上げてやるっていうのは、この大会通して1試合1試合自分たちも強度高くやれていってるっていうのは実感していたのでそこは1つの収穫だと思います。正直、ここまで来れると思ってなかったですし、ここまで来れたことで学んだことは他のチームより多くあると思うので、それを山形帰ってからも選手権、インハイに向けてやっていきたいと思います」。東北大会の3試合で学んだことを持ち帰り、チーム力をより向上させてインターハイや選手権で山形県予選を突破、そして全国大会で白星を勝ち取る。

ゲーム主将MF白田耀大がスライディングタックルを決める
高校入学後にGKへ転向したという阿部悠大は安定したキャッチングが光った
強度の高いプレーが印象的なCB高橋宣登

(取材・文 吉田太郎) 
Source: 大学高校サッカー

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