[2.8 富士フイルムスーパー杯 神戸 0-2 広島 国立]
公式戦52試合4400分間超という驚異のフル稼働を果たした昨季を経て、「全てにおいてクオリティーをもっともっと上げていかないと圧倒的な存在にはなれないし、チームの勝利に貢献できない」と覚悟を深めるサンフレッチェ広島MF中野就斗が、もう一回り大きくなった姿で国立競技場に舞った。
国立は桐蔭横浜大時代の2022年末にインカレ優勝を果たして以来約2年ぶりの凱旋。「“おかえり”って言われました。国立のほうから。“インカレ以来やな”って……」(中野)。歴史的な聖地からの愛情を受け取っていたという24歳は見事な先制アシストで応え、「インカレで優勝した印象も良かったので勝てて良かった」と“個人連覇”を喜んだ。
終盤の失速でシーズン2位に終わった昨季の悔しさを胸に、2冠王者の神戸に挑んだ富士フイルムスーパー杯。プロ3年目を迎えた中野は0-0で迎えた前半12分、これまで課題として取り組んでいたクロスの精度で違いを見せた。
「ニア(の相手)に引っかかって相手の攻撃がスタートという場面が去年はあったのでなるべくニアに引っかからないようにと。ニアを越せれば中に得点能力が高い選手がたくさんいるので、そういう思いで上げた」(中野)。右足で鋭く上げたハイクロスはMFトルガイ・アルスランにピタリと合い、先制のヘディングシュートが決まった。
「キャンプ中もそうだし、クロスの入り方、クロスを上げる場所は練習してきたのでそれが試合で結果として残せて良かった」。クロスの精度向上に加え、キャンプ中からターゲットとの連係向上にも取り組んできたという中野。「中の選手とどのタイミングで……という意見交換もキャンプを通して多くあったので、ゴールという結果で残せて良かった」と手応えを口にした。
またこの日の中野はクロスだけでなく、驚異的な飛距離のロングスローでも国立5万3千人の大観衆を沸かせた。
日々の練習では「やりすぎると肩を痛めちゃうので」とあまり投げていなかったようだが、この試合ではファーサイドまで届く飛距離30m以上の投擲を連発。スローの秘訣には「(去年も)ちょくちょく投げていたけど、優勝したいという気持ちであれだけ飛びました」「いつもは飛ばないんですけど、気持ちで。記事に書いといてください。ロングスローは気持ちです」と冗談めかしたが、今季の大きな武器になりそうな予感を漂わせていた。
持ち味としてきた対人のデュエルに加え、課題としてきたクロスでも、新たに解き放ったロングスローでも輝きを放った国立のプレシーズン最終戦。「チームとしてタイトルという目標をブラしてはいけないし、個人としてもJリーグで圧倒的な存在になる」という決意の3年目の開幕に向け、期待の24歳が上々のスタートを切った。
(取材・文 竹内達也)
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Source: 国内リーグ
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