[3.1 J1第4節 川崎F 0-1 京都 U等々力]
開幕から2分1敗で未勝利が続いていた京都サンガF.C.に今季初白星をもたらしたのは、欧州挑戦から9年半ぶりに帰ってきたアカデミー出身の28歳FW奥川雅也の活躍だった。
0-0で迎えた後半4分だった。京都は右サイドの高い位置で組織的なプレッシングをかけると、MF橘田健人(川崎F)のバックパスミスを誘い、これを拾ったFWラファエル・エリアスがフリーで独走。最後はゴール前にプレゼントパスが出されると、しっかり走り込んでいた奥川が冷静にワンタッチで決めた。
奥川が欧州移籍前の京都はJ2リーグに在籍していたため、J2通算5試合1得点の実績を持つ奥川だがこれが9年半越しのJ1初ゴール。そんな記念すべき一発がチームに今季初白星をもたらす決勝点となった。
試合後、奥川は「僕自身もホッとする部分もあるし、チームに勝ち点3が必要なタイミングだったので、僕のゴールで取れたのは嬉しい」と喜びを口にしつつ、「あそこまでプレスをかけてくれたおかげでボールが来たのでチームに感謝したい」と謙虚にコメント。とはいえ、得点シーンには少なからず手応えを感じていたようだ。
「ああいう動き出しはヨーロッパに行ってから。あそこに行ったら点が取れるというコースは見えていた。今日はそれが活きた。パスが完璧だったというのもあったけど、いかに簡単に決められる位置に行けるかというのを考えてやっている。それが良かった」(奥川)
かつては“古都のネイマール”と称されたドリブル突破で評価を高め、19歳だった2015年夏にオーストリアの名門ザルツブルクに渡った奥川。欧州CLの舞台も経験した後はドイツに活躍の場を移し、ビーレフェルトに在籍していた2021-22シーズンにはブンデスリーガ1部33試合8ゴールという華々しい実績も残したが、欧州で得点力を磨いてきた経験が今の奥川を支えている。


「もともと日本にいた時は走る選手じゃなかったし、悪く言えばチームのことを考えずにゴールに突っ走るプレースタイルだったけど、今のサッカーは全体的に変わっているし、そこに順応する力は向こうでついた。今日のゴールでいえばあそこの位置取り、最後に仕留めるところは向こうで学んだ。そこは成長した部分だと思う」(奥川)
前所属のアウクスブルクでは昨年下半期をセカンドチーム(ドイツ4部)で過ごし、「自分が育ったチームに上を見せたいのもあるし、個人としてはここからまたステップアップして選手として成長したい」と決断した9年半ぶりの京都復帰。まずはゴールという誰の目にも見える結果で成長した姿を印象付けた。
キャンプ期間中の合流だったこともあり、フィジカルコンディションも戦術への適応度も、まだまだ道半ば。この日もJ1初先発で欧州仕込みの守備強度を垣間見せた一方、持ち味のドリブル突破を披露する場面は多くなく、奥川自身も「プレスに行った後に疲れている状況でも相手を押し込むプレーであったり、劣勢の中で流れを変えるプレーがもっともっと必要」と向上の必要性を口にしている。
とはいえ、そんな適応過程で結果を残せたのは大きなポジティブ要素だ。
「試合に出るためにチームの決まりやプレースタイルをしつつ、自分の良さをもっとこれから出していければ」。そう先を見据える28歳は「練習からいっぱいコミュニケーションを取って、もっと僕のことを知ってもらう必要があるし、チームのプレースタイルを理解する必要がある。そこが解決できればもっともっといいチームになれる」と明るいビジョンも描きつつ、Jリーグでの挑戦を進めていくつもりだ。
(取材・文 竹内達也)
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