[3.14 中国高校新人大会1回戦 作陽学園高 4-1 瀬戸内高 キリンレモンスタジアム人工芝多目的グラウンド]
第17回中国高等学校サッカー新人大会が14日に開幕し、1回戦の8試合を行った。山口県防府市のキリンレモンスタジアム人工芝多目的グラウンドで開催された作陽学園高(岡山1)と瀬戸内高(広島2)の一戦は、MF桃柄辰秋(2年)の先制点を皮切りに得点を重ねた作陽学園が4-1で快勝した。
昨年は4年ぶり24回目のインターハイ出場を果たした作陽学園だったが、選手権予選は決勝でライバルの岡山学芸館高に敗れた。メインターゲットにしていたタイトルを掴めなかった悔しさが強い分、今年にかける想いは強い。「去年は3年生がめちゃくちゃ強いと言われていたのに結局、最後は選手権のタイトルを取れなかった。今年は全て取れる限りのタイトルを取って、岡山はやっぱり作陽だと見せつけたい」。そう意気込むのはMF願念利来(2年)だ。
試合が終わってみれば、岡山県新人大会に続く2つ目のタイトル獲得に向けて快調なスタートとなったが、試合の立ち上がりは決して満足のいく出来とは言えなかった。ボールを持ったらシンプルに前線に当てて、セカンドボールの回収から主導権を握ろうと考えていたが、瀬戸内のDF井上礼二(1年)と保手濱慶次(1年)の跳ね返しが思っていた以上に強かった。また、低い位置で対応していた相手ボランチに合わせた結果、中盤が間延びし、思い通りにマイボールの時間を増やせない。
それでも前半8分には右サイドを崩してクロスを展開。ファーに流れたボールをFW岡慶太(2年)が折り返し、ゴール前で混戦となったこぼれ球を桃柄が決めて作陽学園が試合を動かした。
その後も16分にはロングボールを胸トラップで上手く処理したFW橋口尚翔(新3年)がシュートを放つなど、思い通りに攻撃ができない中でもゴールに迫った。だが、追加点を奪えずにいると、28分には瀬戸内MF松下湊(1年)に右CKを直接決められ、1-1で試合を折り返した。
後半に入ると、作陽は守備力に長けたMF鶴岡大(2年)を入れて、前半はボランチだった願念を右サイドに押し出し、システムを4-4-2から4-2-3-1に変更。セカンドボールの回収率が高まり、マイボールの時間を増やすと同時に、戦い方もパスワークからサイドを使う形に変更して瀬戸内を押し込んだ。
戦術変更によって輝いたのは願念だ。本職は相手との駆け引きに長けたサイドアタッカーで、「ずっとワイドに入ったら仕掛けようと思っていた」。後半8分には意気込み通り、思い切りよく右サイドを仕掛けて中にクロスを入れると反対サイドから走り込んだ岡が合わせて再リードを手にした。
後半18分には自陣でボールを奪ったDF藤田結大(2年)がそのまま前方に運んでゴール前にスルーパスを入れると、抜け出したFW佐野峯隼弥(2年)が3点目をマーク。25分にもDF磯田奏和(2年)の右クロスを佐野峯が決めて、4-1で作陽学園が勝利した。
大雨のピッチに苦しんだ昨年の選手権予選決勝の反省を踏まえ、今年の作陽学園は選手が持つプレーの幅を広げようとしている。「勝つためにできることを増やしていく」と話すのは酒井貴誠監督だ。
元々、作陽学園には戦術眼に長けた選手が多く、足元で繋ぐサッカーには定評があるが、試合状況によっては強さを出さなければいけない時もある。そうした状況でも苦なく対応できるよう臨機応変に判断できるスタイル構築中で、前後半で戦い方をうまく変えたこの日はそうした取り組みの成果が出始めていると言えるだろう。準々決勝も相手の意表を突く臨機応変なスタイルで白星をつかみ、頂点を狙いに行く。
(取材・文 森田将義)
Source: 大学高校サッカー
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