[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 国体少年男子1回戦 福岡県 2-1 新潟県 OSAKO YUYA stadium]
福岡県の手嶋俊介監督(ギラヴァンツ北九州)が「凄くマジメ」という左SB小浦拓実(アビスパ福岡U-18、1年)。そのマジメさと熱量も表現した小浦が、逆転勝ちに大きく貢献した。
1点ビハインドで前半を折り返した福岡県だが、「ここから逆転しに行こう」(小浦)と後半は気持ちの込もった戦いを見せた。チームはシステムも変えながら、ボールを大事にビルドアップ。その中で小浦は普段に比べるとオーバーラップする回数は少なかったというものの、配球役として後方から攻撃に厚みを加える。
後半8分には相手に警告が出るほどのラフプレーに熱くなってしまい、自身も警告を受けてしまう。だが、チームがペースを握り返して迎えた後半21分、小浦は右サイドからの左足CKで同点ゴールをアシストした。
「ターゲットは決まっていたので高いボールでしっかりと合わせることができた」と振り返るキックは、ファーサイドのCB樺島勇波(アビスパ福岡U-18)の頭にピタリ。ほぼ“キックで決まった”と言えるような高精度CKが、福岡県を勢いづけた。
この後、小浦は攻め上がりから枠を捉える左足シュートも。その一方、普段のトレーニングで福岡2種登録選手の先輩MF岩永創太(3年)とマッチアップしているDFは、「個人的にはあの人が一番上手いと思っているので、あの人を止めれるような努力をしています。間合いや速さはついていけていないところもあるんですけれども、自分がどうしたら取れるのか考えながら取り組んでいます」というように、注目MF相手に鍛えてきた守備面でも健闘する。
シュートまで持ち込まれたシーンもあったが、新潟県MF高村大翔(新潟U-18)ら相手アタッカーに食い下がり、後半は相手に30分間近くシュートを打たせなかった。守備面でも勝利に貢献。その小浦は国体で年代別日本代表入りへのアピールも狙っている。
「この大会は全国が注目している大会ですし、色々な方が見に来ていると思うので、しっかりとアピールして、チームとしても、個人としても、成長できればなと思っています」。福岡U-15に所属していた昨年11月に、U-15日本代表のスペイン遠征を経験。だが、体調を崩すなど思うようなプレーができなかった。
そこから、昇格したU-18チームで頑張りが利くようになるなど成長。「(今日、)本当はゴールとか決めたり、もう少しアシストができたりしたら良かったんですけれども、1アシストできたのは自分の成長かなと思うので明日に繋げたいと思います。(代表に)呼ばれたらまた結果を残して残れるように頑張りたい」と誓うDFが、2回戦でも特長を発揮し、福岡県の勝利に貢献する。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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