「途絶えさせてしまったのかと…」絶望も転がり込んできたGL突破、再出発へチーム最年少MF長南開史(柏U-18)「もう1回みんなで矢印を合わせて」

MF長南開史(柏U-18)
 AFC U17アジアカップサウジアラビア2025に参加中のU-17日本代表はグループリーグを1勝1分1敗の戦績で1位通過。ベスト8進出とU-17ワールドカップ出場権を手にした。

 グループリーグ最終節のU-17オーストラリア戦に後半39分から出場したMF長南開史(柏U-18)は「追い付けると思ってやっていました」と振り返る。
 
 登場早々に起点となってFW谷大地(鳥栖U-18)のゴールへと繋げ、「出たら自分が流れを変えたいと思っていた」というプレーを実践。「逆転とか引き分けとかまで持っていこうと思っていたし、「流れ的にいけると思った」というところまで持ち込んだ。

 谷には「練習から自分のクロスを合わせる形で点が入っていた」という関係性ができており、ひとつの狙いどころとして「自分がアシストして」谷が決めるというイメージもあった。それだけに、2-3のスコアのまま聴いた試合終了のホイッスルは受け入れがたいものだった。「これで終わりか。明日もう帰るのか……」

 そう絶望していると、「自分はまったくそのことが頭になかったんですけど、みんなが何か映像を観ていて、『このままならいけるぞ』と言ってたんです」と、実は可能性が残っていることを知らされた。

 その裏カードが実際に同点のまま終了したことで得失点差でわずかに上回った日本の勝ち抜けが確定。逃したと思っていた8強への切符が急に渡される形となった。

GL突破が決まった瞬間の様子

「決まった瞬間は『うれしい』というより、何というか安心しました。世界大会もそうだし、(アジアの)3連覇も懸かっている中で、自分たちがそれを途絶えさせてしまったのかと思っていたところだったので……」

 感じたことのないプレッシャーと絶望感に襲われる中で、転がり込んできた朗報に、チーム最年少の高校1年生は、ホッと一息をついた。

 もっとも、だから満足して終わりというつもりもない。「もう1回みんなで矢印を合わせて、みんなで勝ち進むようにしていきたい」と意気込む。

「(オーストラリア戦でベンチに回った選手も)また結果を残してスタメンで出たいと思っている選手ばかりだし、もっと良い準備をして、次の試合に向かいたいと思います」

 世界大会を前に、まず目指すはアジアの3連覇。その中で自分自身の力も証明していく考えだ。

(取材・文 川端暁彦)


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Source: サッカー日本代表

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