J1リーグは13日、第10節が終了し、ここまで6勝1分3敗で勝ち点19のアビスパ福岡が首位に立った。今季の福岡は新たに就任した金明輝監督のもと、開幕3連敗からスタートを切っていたが、以降は直近7戦無敗(6勝1分)という快進撃を展開している。
その他の上位勢を見ると、昨季の中下位勢と昇格組が躍進を見せているのが今季の特徴だと言える。首位の福岡は昨季12位。2位以下も京都サンガF.C.(昨季14位)、川崎フロンターレ(同8位)、ファジアーノ岡山(J2リーグ5位)、5位の柏レイソル(昨季17位)と新たな顔ぶれが続いている。
その一方、6位以降には昨季の上位勢が並んでいる。昨季2位のサンフレッチェ広島は現在6位だが、1試合未消化のため自力首位浮上の可能性を残している状況。また7位には昨季3位のFC町田ゼルビア、8位には昨季5位の鹿島アントラーズが続いている。ここまでは首位と勝ち点3差にひしめいており、1試合で順位が入れ替わる射程圏内だ。
混戦模様の中では1試合ごとの浮沈の幅も大きくなっている。町田は前節終了時点で首位に立っていたが、この日の敗戦で一気に7位に転落。鹿島も序盤戦で首位を走っていたものの、直近の3連敗によって8位に落ちている。そうした趨勢は今後も続くとみられ、1節の勝敗次第で順位が入れ替わることになりそうだ。
13日の町田対浦和レッズ戦後には、この一戦を現地視察していた日本代表の森保一監督が報道陣の取材に応じ、現状のJリーグを分析した。
「経験のあるチームであったり、予算規模が大きかったりといういわゆるビッグクラブが当たり前のように上位にいるヨーロッパとは違い、Jリーグは1位から20位までどこが勝ってもおかしくない、世界でも特別な戦いがあるリーグ。チームの方々がいろんなコンセプトのもとで戦いを繰り広げられていて、順位が本当にわからないのはJリーグの良さかなと思う」と見解を口にした。
もっともこうした混戦模様は、日本代表監督としての仕事をより難しくするものとなりそうだ。
日本代表は今年7月、国内組中心編成で臨むEAFF E-1選手権を控えており、現在は選手選考が進行中。22年夏の前回大会は同年のJ1リーグを制すことになる横浜F・マリノスから最大7人、2位の川崎Fから3人、3位の広島から6人と上位勢からの複数選出が目立ったが、現在のJリーグではそうした戦力の偏りは見られない。
森保監督はこうした状況下での選考について「大きな選考基準としてJ3よりもJ2、J2よりもJ1ということで、より高いカテゴリから選ばせてもらう優先順位はつけさせていただいていて、J1の中でも代表に選ぶ中でできるだけ上位で結果を出しているクラブから選ぶべきかなという優先順位はつけていかなければいけないと思いながらも、順位が変動するので(笑)。1位から20位までどのクラブにもいい選手がいるというところをニュートラルに見た上で、最終的に決めなければいけない期限の時にチーム作りを考えていきたい」と展望を述べた。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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