[MOM5094]名古屋U-18 FW大西利都(3年)_プレミアWESTで開幕8戦13発!! 敵地スタジアム開催でハット達成「めちゃめちゃ楽しかった」

ゴールパフォーマンスをするFW大西利都(3年=名古屋U-18)
[5.18 プレミアリーグWEST第8節 岡山U-18 2-4 名古屋U-18 JFEス]

 名古屋グランパスU-18のエースが高校年代最高峰の舞台で記録的なゴールラッシュを見せている。3-4-2-1の1トップを担うFW大西利都(3年=名古屋U-18)は18日、高円宮杯プレミアリーグWEST第8節・岡山U-18戦でハットトリックの大活躍。第2節・福岡U-18戦(◯2-1)での初ゴール以降、これで驚異の7試合連発となり、今季の得点数は早くも「13」に達した。

 この日はゴール前での勝負強さが圧倒的だった。まずは前半20分、高い位置でMF八色真人(3年)がボールを奪うと、浮き球のスルーパスに反応。「真人がボールを持った時は自分に来るのは共有できているので、信じて走ったら良いボールが来た。シュートはなんとなく打ったら入りました(笑)」。最初はそう謙虚に語ったが、実際は冷静な駆け引きができていたようだ。

「ニアかファーのどっちが空いているかは見るようにしていて、1点目はニアが十分に空いていたのでそこに思い切り打ち込んだ」。まずは1点。この成功体験が裏目に出てか、前半24分の同じようなチャンスは再びニアを狙って相手GKに阻まれたが、大西は「あれはナイスキーパーでしたね」と冷静に受け止め、次のチャンスを待った。

 すると前半分、今度は右サイドで縦突破と見せかけ、鋭い切り返しを見せたMF千賀翔大郎(2年の左足クロスに飛び込んだ。「クロスからの得点が今年はあまり取れていなかったけど、駆け引きのところは監督からも常に言われていたので、うまく相手を外してミートすれば入るのは分かっていた」。最後はうまく身体をひねりながら完璧なヘディング。現役時代にCBだった大西監督から習ったポジション取りを活かして取ったゴールだったようだ。

 さらに大西は3-1で迎えた後半35分、またしても八色からのパスを決めた。「一回相手をカットインで剥がしてファーに打とうと思っていたけど、感覚でニアが空いていると思って振ったらファーが空いていて入った」。今季2度目のハットトリックを達成。チームにとってもこれが勝利を決定づけるダメ押しゴールとなった。

 昨季も20試合で14得点を決めていた大西だったが、今季はたった8試合で13得点。2011年から東西で始まった高円宮杯プレミアリーグの歴史において、これまでに合計24シーズン分(コロナ禍による中止・中断を除く)の得点王が生まれているが、13得点以下で受賞した例も計10シーズン分あり、異例のハイペースで得点を量産していると言える。

 それでも大西自身はこの活躍を謙虚に受け止めている。「ちょっと維持するのに精一杯ですけど、今のところうまくいってくれているという感じです」。飛躍の要因を挙げるとすれば“メンタル”くらいだという。「『自分が点を取るんだ』という強い気持ちを持てている時は点が入るというのが自分の中であるので、それを常に持つようにしていますね」。ゴール前の冷静さはこうした自然体によって支えられているようだ。

 またこの日はJ1リーグ戦が行われた直後のJFE晴れの国スタジアムが会場だったこともあり、燃える思いもあった。「久しぶりのスタジアム開催だったので、アウェーの中で、少し言い方は悪いけど、自分の実力で黙らせようって感じで入れたので良かった。めちゃめちゃ楽しかったです」(大西)。ストライカーとしての充実したメンタリティーがゴールにつながっていた。

 そうして得点を重ねながらでもなお、謙虚さを持ち合わせているのが大西の凄さだ。その背景には今季の名古屋のトップチームキャンプでJ1トップレベルのストライカーの存在を目の当たりにしたことも影響しているという。

「たとえば永井謙佑選手はプレスの気迫も、スピードも全然違ったし、人間性の部分も本当に素晴らしかったので、キャンプが終わってからも尊敬しています。今年のシーズン前のキャンプに行った時は『このままもしトップ昇格できても試合に出られるのか』というような心配が正直生まれてしまいましたし、今後のプレミアの結果を加味していろいろ考えていきたいです」

 ここからどのようなキャリアになろうとも、自分の武器は磨き続けつつ、さらにプレーの幅を広げていくつもりだ。

「実力をつけないといけないのは全員一緒だと思うし、自分はストライカー、FWなので今は点取るだけだなと感じている。ただトップでやるには点を取るだけじゃダメだし、守備の部分もアシストの部分もこれからもっと意識しないとやっていけない。そこは日頃から頑張っていきたい」

 目指すは周囲に信頼感を与えられるストライカー。「自分が試合に出ていれば、自分にボールを出せば得点を取ってくれるという信頼のあるストライカーになりたいと思っている」。成長意欲をたぎらせながらまだまだ先の長いシーズンを見据えていた。

(取材・文 竹内達也)


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Source: 大学高校サッカー

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