[関東]好調国士舘大を牽引、本間凜とともにMF田中祉同に注目「この1年は結果にこだわって」開幕8試合で4ゴール7アシスト

開幕8試合で4得点7アシストと好調をみせるMF田中祉同
[5.17 関東大学L1部第8節 桐蔭横浜大2-4国士舘大 神奈川県立保土ケ谷公園サッカー場]

 FW本間凜(3年=関東一高)が爆発的な連続ゴールをみせている国士舘大だが、MF田中祉同(4年=神戸弘陵高)の活躍も見逃せない。桐蔭横浜大戦でも後半19分に2試合連続となる今季4点目を記録。そして目立つのがアシスト数で、前節の慶應義塾大戦で3アシストを決めるなど、通算7アシストでランキングトップを独走している。

「結果の部分はこの1年はこだわって、最低でもアシストでゴールという結果を残していきたい。僕がクロスを上げると凜がいいところに入ってきてくれる。ホットラインはできているのかなと思う。守備の選手が頑張ってくれているので、繋いでくれた時に仕事をしないとあかんなというのがある。結果の部分にこだわって、まだまだ試合はあるのでもっと謙虚に自信を持ってやりたいです」

 高校1年生のころから全国区で活躍してきた選手だった。1年時と2年時に連続出場した高校選手権では、2年連続ゴールを記録。3年時は名門校で10番を背負う選手になった。高卒でのプロを目指し、当時J2だったFC町田ゼルビアの練習に複数回参加。最終的には契約に繋げられなかったが、4年間で力をつけ直すこと、卒業後のプロ入りを誓って、関東の地にやってきていた。

 ただ自信を持ってやってきた大学リーグだったが、強度の高さに戸惑うことが多かったという。入学初年度は総理大臣杯で日本一になった年で、4年生にMF綱島悠斗(東京V)やGK飯田雅浩(讃岐)、下級生にもDF望月海輝(町田)らのちにJリーガーとなる選手が多数在籍していた。「そこに食い込んでいきたいなと思ったけど、なかなか難しかった」。第一の挫折があった。

 そんな中で大学リーグデビューとなった2年時の開幕戦で初ゴールを記録したが、直後に左膝半月板の怪我でサッカー人生初の長期離脱を経験。「離脱して復帰した時に自分のボールタッチができなかった。まずいなと、どんどんメンタルも落ちていった」。不安定な日々が続いたという。

 ただ「諦めたくない」「このまま終わるのは嫌」と自らを奮い立たせることで気持ちを繋ぎとめると、3年生の終盤から再びトップチームでの出場機会を掴んでいった。そして最終学年の今季はレギュラーとして開幕からスタメン出場を続けると、8試合で4得点7アシストを記録。暫定首位に立つチームに大きく貢献している。

 当然、目指すは卒業後のプロ入りだ。21日には高校で同級生だった関西大DF吉村瑠晟が、入団が内定する磐田デビュー戦で初ゴールを記録。刺激を受けないはずがない。「僕らが1年生の時に先輩たちが日本一の景色を見せてくれた。僕らも4年生になって、今度は自分たちが後輩たちに景色を見せてあげたい。ラスト1年、卒業後にプロに行って活躍するために結果にこだわってやっていきたいなと思います」。有言実行の結果を残すことで、自らの存在価値を示す。

(取材・文 児玉幸洋)


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Source: 大学高校サッカー

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