[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.26 関東高校大会Aグループ決勝 習志野高 3-2 第一学院高 NACK]
後半の2ゴールで習志野高(千葉)を31年ぶりの関東制覇へ導いた。MF太田椋介(3年=ジェフユナイテッド市原・千葉U-15出身)は前半、「もう何もできなくて、チームに迷惑掛けていて」という40分間に。普段ボランチのMFは、今大会務めているシャドーのポジションでなかなかボールに係わることができなかった。
それでも、「とにかく点を取りたい」と臨んだ後半に2発。まずは10分、FW中渡瀬統貴(3年)が敵陣でのセカンドボールを回収して顔を上げると、中央から左斜めの動きでPAへ走り込む。そこへスルーパスが通り、正確なコントロールから左足シュートを決めた。
太田は「僕、シャドーだったんですけど、普段ボランチなので(パスを出すタイミングが)分かるんで、中盤の選手とかが顔上げた時に裏とか意識しています」。出し手のことを理解して動いたMFが、狙い通りにボールを引き出し、勝ち越し点を挙げた。
さらに20分、太田は、FKの流れから相手に当たってゴール前にこぼれたボールに反応。ダイビングヘッドで押し込んだ。こぼれ球を狙っていたMFは、再び得点嗅覚を発揮して決勝点となる一撃。後半は裏へ抜ける動きやボールを引き出す回数を増やし、ターンから前を向くシーンもあった。
だが、本人は「もっと自分のところで時間作って、顔上げて裏とか、もっと自分の形でやりたいですけど……点取れたんで良かったです」。満足こそしていなかったものの、大一番で結果が出たことを前向きに捉えていた。
太田は目標の選手に習志野OBで、横浜FC内定のDF細井響(新潟医療福祉大)の名を挙げる。「(新潟医療福祉大に)練習、ちょっと参加したんですけど、刺激もらって。習志野の先輩なんでめっちゃ優しくて。目標としてやっぱやらないといけないと思います」。習志野、新潟医療福祉大で成長し、プロ入りを勝ち取った先輩のように、自分も上のステージへ行くことが目標だ。
太田は千葉U-15時代と比べて身長が10cm伸び、技術力も向上。「(関東大会決勝のような)こういうタフなゲームでも自分が目立ってチーム勝たせれるようにしたいです」と課題を改善することを誓う。そして、5月31日初戦のインターハイ予選へ向けては「1戦1戦しっかり勝って、プレミア(リーグ勢)を倒す気でやっていきたいと思います」と宣言。この日のように、大一番で試合を決めるような活躍をしてのける。






(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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