[6.1 インターハイ鳥取県予選決勝 米子北高 5-0 鳥取城北高 どらドラパーク米子陸上競技場]
令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技鳥取県予選決勝が1日に米子市のどらドラパーク米子(どらやきドラマチックパーク米子)陸上競技場で行われ、米子北高と鳥取城北高が対戦。米子北が55-0で勝ち、17大会連続20回目の出場を決めた。
今年度から準決勝、3位決定戦、決勝が45分ハーフで行われることになった鳥取県予選。立ち上がりから米子北がFW畑中大河(3年)とFW妹川将基(3年)の2トップにボールを集め、早い段階での先制点を狙うが、鳥取城北は粘り強い守備で防いでからのカウンターで対抗した。FW谷角喜一(3年)がロングパスに競り勝ってヘディングでフリックしたボールに、MF深川隼佑(3年)が反応してスペースを突く形でチャンスをうかがう。
それでも終始、主導権を握ったのは米子北だったが、前半24分に左からの折り返しを合わせた畑中のシュートが上に外れるなど、なかなか均衡を破れなかった。しかし33分、CK後の混戦から畑中のヘッドが右ポストに当たったこぼれ球を、DF藤原大空(3年)が左足で蹴り込み、待望の先制点を奪う。
これで動きの良くなった米子北は、39分に追加点。何度も右サイドを破ってチャンスを作っていたFW石飛五光(3年)のセンタリングを、妹川がヘッドで合わせてファーサイドに決め、リードを2点に広げて前半を終えた。
鳥取城北はハーフタイムに貫場貴之監督が、ウエア左胸部分のエンブレムをたたきながら「ここだよ、ここ!」と選手たちを鼓舞。何とか劣勢を挽回しようと後半に臨んだが、米子北はすぐさま突き放した。5分にセットプレーのチャンスを得ると、MF山下一圭(3年)のキックをMF水上拓海(3年)がヘッド、鳥取城北の守備陣が何とか防いだが、こぼれ球をMF湯月哲大(3年)がヘッドで押し込んで3-0とする。
鳥取城北はGK大田仁(2年)が多くの好セーブを見せるなど懸命に耐え、一矢でも報いようと反撃を試みるが、敵陣まで進んでもシュートには至らない。攻め続けた米子北は27分に右からのセンタリングをFW猪俣久修(3年)が右足で、33分には同じく右からのセンタリングをFW泉飛駕(2年)がヘッドで決め、途中出場の2選手によるダメ押しの2得点で試合を締めくくった。
鳥取城北は失点を重ねながらも最後まで戦い続けたものの、“絶対王者”米子北の牙城を崩すことはできず。貫場監督は「相手は一瞬のスキを突いてくるチーム。その部分での集中力を持続しなければいけないと、冬からやってきましたが、もっとできたことがたくさんあったので、冬につなげていきたい」と語った。
高い壁を痛感させられることになったが、乗り越えるためには成長を続けるしかない。キャプテンの谷角は「まず強度から圧倒されていたので、球際の競り合いやプレスで互角に戦えるように、強度や能力を上げなければいけない」と選手権予選での雪辱を見据えた。
米子北はシュート23本の猛攻、被シュートは1本と圧倒しての大勝も、キャプテンのDF浜梶優大(3年)は「去年のことを少し思い出してしまって、試合の入りで集中できず、苦しい場面もあった」と振り返った。今年度と同じ会場で境高と対戦した昨年度の決勝は、前半12分(当時は35分ハーフ)に先制したが、30分に浜梶のバックパスがオウンゴールとなって追いつかれ、後半15分には2失点目で逆転されてしまう。20分に追いつき、延長前半に勝ち越して3-2で振り切ったものの、ついに“絶対王者”が敗れるのかと会場は騒然となった。
同じ轍は踏まなかったとはいえ、浜梶は「プレースピードを相手に合わせてしまうことが多いので、最初から米子北らしく戦いたい」と課題を挙げた。その先に目指すのは、昨年度は3位に終わったインターハイでの頂点。「借りを返して、初の日本一を目指して頑張りたい」と言葉に力を込めていた。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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