鹿島学園CB齊藤空人主将は予選を突破し、インハイで「成長した姿を見せたい」。U-17高校選抜の仲間や同級生のU-20代表CBが刺激に

鹿島学園高CB齊藤空人主将(3年=大阪市ジュネッスFC出身)は最終ラインでチームを支え、自らの1ゴール
[6.10インターハイ茨城県予選準決勝 鹿島学園高 4-1 水戸啓明高 水戸信用金庫スタジアム]

 前日9日に18歳の誕生日を迎えた鹿島学園高CB齊藤空人主将(3年=大阪市ジュネッスFC出身)が、自ら祝砲。3-1の後半33分、FW堀樹矢(3年)の右クロスを頭で合わせ、左隅に決めた。

「昨日誕生日やったんで、絶対決めようと思っていたので嬉しかったです」と齊藤。U-17日本高校選抜で主力CBを担ったDFはこの日、スピードを活かして相手の裏抜けを止め切ったほか、ビルドアップで積極的な持ち上がりを見せていた。

 齊藤は1年時にU-16茨城県選抜の一員として国体優勝。2年時からは鹿島学園で欠かせない存在となった。昨年度の選手権出場を逃したものの、それまでの公式戦や裏選手権(ニューバランスカップ)MVPなどの活躍、選考会でのパフォーマンスを評価され、U-17日本高校選抜入り。選手権のヒーローや年代別日本代表クラスのメンバーの中で実力を発揮した。スピードを活かしたカバーリングや空中戦、対人の強さを武器にU-18Jヴィレッジカップ優勝に貢献。高体連を代表するタレントたちと過ごした経験が現在、とても活きているという。

「みんながトップレベルという中でプレーして、プレースピードっていうのは、県大会であったら自分もビビらずビルドアップとかできたり、やっぱりみんなトップトップの選手で、振る舞いっていう部分(の凄さ)を自分は一番感じました。(あと、彼らは)サッカーが大好きだなって」。そのチームメイトたちの存在は、齊藤にとって大きな刺激になっている。

 先月、U-17日本高校選抜の最終ラインでコンビを組んでいたCB中野陽斗(神村学園高/3年)やFW大石脩斗(鹿児島城西高/3年)がU-18日本代表入り。その中野やDF村上慶(大津高/3年)らはインターハイ出場をすでに決めている。

「正直、(中野)陽斗に関しては、一緒にやってた仲なんで、悔しいっていうか、自分もああいう舞台に絡みたいっていうのが率直なところです。昨日、(村上)慶とかもLINEで『明日、頑張れよ』とかそういうやり取りとかしていて、大津は決めているんで、自分もインターハイ出て、また元チームメイトやった人たちとやって、成長した姿を見せたいなっていう風に思っています」と意気込んだ。

 齊藤はクラスメイトにも刺激を受けている選手がいる。U-20日本代表フランス遠征中のCB大川佑梧(鹿島ユース/3年)は、鹿島学園で「席、前です」。年代別日本代表常連で鹿島トップチームの練習にも参加している大川とはサッカー、サッカー以外の話もして学ぶことは多いようだ。

「2個上とか1個上の代表に絡んでいて、今も行っていますし、(大川)佑梧みたいにじゃないですけど、あのようになりたいですし、国体で一緒にやっていたので、いずれ一緒にやりたいとかいうのはあります」。大川以外のクラスメイトたちからも「(鹿島の)トップチームは違う」ことを教わり、目指すステージのレベルが非常に高いことを理解。齊藤は経験を重ねながら、先を行くライバルたちに追いつき、追い越すことを目指していく。

 15日は茨城県予選決勝。「高校選抜っていう重圧はちょっと最近感じますけど、目立つプレーじゃなくて、何気ないプレーでボクは見せていきたい。細かいプレーで違いを見せていきたいなと思います」。明秀日立高との一戦は、前半途中に負傷交代して敗れた選手権予選のリベンジマッチ。鹿島学園を後方からコントロールし、勝って全国大会出場を決める。

後半33分、鹿島学園はU-17日本高校選抜のCB齊藤空人主将がヘディングシュートを決め、4-1
手堅く戦いながらセットプレー、サイド攻撃の強みを発揮した

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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