日本代表の森保一監督が21日、J1第21節のFC町田ゼルビア対鹿島アントラーズ戦を視察後、報道陣の取材に応じ、来年夏の北中米ワールドカップで求められる気候対策に言及した。
W杯開催地のアメリカでは現在、クラブワールドカップが開催中。日中にキックオフする試合では選手たちが酷暑への適応に苦労しているほか、突如襲いかかる雷雨による影響も相次いでおり、18日のパチューカ対ザルツブルク戦で1時間50分、19日のパルメイラス対アルアハリ戦で45分、20日のベンフィカ対オークランド・シティ戦で2時間20分(ハーフタイム含む)に及ぶ試合中断が行われていた。
クラブW杯は大半がアメリカ東海岸の会場で開催されており、各チームが対応を進めているが、来年夏の北中米W杯は3か国共催。アメリカ国内の会場だけでも東西全土の11都市に広がっている上、気候の大きく異なるカナダ2都市、標高2200mの高地エスタディオ・アステカを含むメキシコ3都市もあり、試合会場に合わせた準備が必要になる。
そうしたなか、この日、取材に応じた森保監督は「アメリカ国内だけでも気候の差、時差、標高差がある。どれだけ臨機応変に対応力を持って試合に挑めるかというところが大切だと思う」と準備の必要性を強調。「すでにいろんな想定のなか、対応できるようにというところは準備を進めているが、本当に難しい。気温、時差、標高差含めてかなりの違いがあるので、いろんなことに対応できるようにしていきたい」と意向を述べた。
日本の試合会場は今年12月の組み合わせ抽選後に決まる予定。それでも日本代表は3月にW杯出場権を獲得して以降、9月にアメリカ2都市で行われる国際親善試合も見据え、現地視察も重ねながらさまざまなシミュレーションを実施している。森保監督は「中間を取って準備をしたいと思うが、中間を取るのも難しい」と苦笑いを浮かべつつも、「スタッフミーティングでもいろんな意見を出し合いながら進めている」と話した。
森保監督が前回率いたカタールW杯は狭い地域内で行われていたため、大会中にキャンプ地や宿舎を変える必要がなかった。しかし、北中米W杯はベースキャンプ地から各都市に移動する18年ロシア大会以前の行程に戻る見込みだ。
森保監督は「準備次第でコンディションの差がゲーム内容にも表れるかもしれないし、起用できる選手たちも変わってくるかもしれない。よりベストな状態、相手よりも良い状態で試合に挑めるようにしないといけない。そういった意味でW杯に早く出場を決めることができたので、3月が終わってより具体的に考えることができているし、現地の情報も入れながら準備も進めていきたい」と話し、入念な対策をとる構えだ。
そうした準備を進めるためにも、今回のクラブW杯の環境は一つの参考になりそうだ。森保監督は「浦和の試合を中心に少しずつ見ている」という試合内容に加え、環境面にも注視しながらスカウティングを重ねていく構え。「全てが想定外を想定内と思えるように準備をしつつ、臨機応変にということでニュートラルに気持ちを持ちながら、その状況に合わせていく考え方でこれまでもやってこられているが、環境の違いを踏まえ、より良いコンディションで挑めるように準備しないといけないというのはクラブW杯からも感じさせてもらっている」と話した。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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