総理大臣杯の関東地区予選となるアミノバイタルカップ関東の決勝が29日に行われ、流通経済大が東洋大に2-1で競り勝ち、5大会ぶり2度目の優勝を飾った。
決勝の相手は天皇杯でみせる快進撃で注目を集める東洋大だったが、前半から優位に試合を進めた。先制点は前半23分で、FW川畑優翔(4年=流通経済大柏高)がPKを蹴り込む。後半39分には高い位置でボールを奪ったFW松永颯汰(4年=静岡学園高)がそのままエリア内を突破して、追加点を突き刺した。
後半41分に1点を返された流経大だったが、同点弾までは許さない。そしてそのまま逃げ切って優勝。リーグ前期の戦いを苦しんだ流経大だったが、主将MF渋谷諒太(4年=流通経済大柏高)も、「安心じゃないけど、前期のリーグを払しょくするためにも、アミノを優勝しなきゃいけなかった」とホッとした表情をみせていた。
何より勝てることに自信を持てたことが大きい。近年は“勝負弱さ”が目立っていたこともあり、中野雄二監督らスタッフからも「トーナメントに出れば何が何でも勝つのが流経だった」と発破がかけられていたという。「リーグでなかなか勝てない時期が続いていたけど、やっていることは間違いないと信じていたし、もう一段階細かいところを詰めれば勝てることも分かっていた」。結果で証明できたことに胸を張る。
OBたちがみせる流経大の底力にも刺激を貰っていた。渋谷らが1年生当時の4年生だったFW小林心は、卒業後のJリーグ入りは叶わなかったが、JFL高知(当時)に入団すると、今季よりJ3に昇格。得点を量産してJ2仙台への“個人昇格”を掴み、28日の磐田戦では移籍後初ゴールとなる劇的な決勝点を決めていた。
渋谷も当時、小林が「4年生の中で誰よりも努力している姿をみていた」という。それだけに「昨日のゴールもみんなで観てめちゃくちゃ盛り上がった」と自分のことのように喜びを語る。人材が溢れているのが流経。今季はまだ誰もプロ内定者が出ていないこともあり、「雑草魂が流大にはあると思う。見習って、地道に頑張りたい」と力に変える。
これからも勝ち続けることで、個人の評価を高めるつもりだ。渋谷自身も「こうやって結果を残すことで注目されるし、進路に繋がってくるという重要性はみんな分かっている」と強調する。そして「リーグの結果はこんなもんじゃないぞと示せたと思うけど、まだ関東の大会。次の大臣杯で日本一と、今季のリーグで勝てれば本物だと思います」と夏場以降の巻き返しに向けた決意を新たにしていた。


なおこの日はすべての順位決定戦が行われ、総理大臣杯出場10チームの順位も決定した。総理大臣杯は9月上旬に東北地方で行われる。
関東地区第1代表:流通経済大(2大会連続14回目)
関東地区第2代表:東洋大(4大会ぶり3回目)
関東地区第3代表:産業能率大(4大会ぶり2回目)
関東地区第4代表:日本体育大(8大会ぶり6回目)
関東地区第5代表:中央大(2大会ぶり16回目)
関東地区第6代表:桐蔭横浜大(3大会ぶり3回目)
関東地区第7代表:日本大(2大会連続6回目)
関東地区第8代表:筑波大(2大会連続28回目)
関東地区第9代表:慶應義塾大(2大会連続10回目)
関東地区第10代表:駒澤大(3大会ぶり20回目)
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Source: 大学高校サッカー
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