就任3週間でクラブW杯…主力複数不在でのマンC撃破にインザーギ監督「酸素なしでエベレストに登らなければならなかった」

シモーネ・インザーギ監督
[6.30 クラブW杯決勝T1回戦 マンチェスター・C 3-4(延長) アルヒラル オーランド]

 アジア勢で唯一クラブW杯ベスト16に入ったアルヒラルは30日、決勝トーナメント1回戦でマンチェスター・シティと対戦し、延長戦の末に4-3で打ち勝った。チームを率いるのは前任のインテルをUEFAチャンピオンズリーグ決勝に導いていたシモーネ・インザーギ監督。就任からわずか3週間、初仕事の今大会でアジア勢初の欧州撃破という歴史的な快挙を成し遂げた。

 指揮官の綿密なゲームプランと、選手たちの勇敢な姿勢で歴史の扉を開いた。

 この日のアルヒラルは大会直前に負傷したエースのFWアレクサンダル・ミトロビッチが引き続き欠場した上、レジェンドFWサレム・アルドサリとCBの一角を担うDFハッサン・タンバクティも負傷のためメンバー外。相手は昨季の欧州王者という厳しい状況だったが、インザーギ監督は自身が得意とする5バックシステムで今大会初めて試合に入り、強固な守備ブロックからの速攻に活路を見出した。

「マンチェスター・シティの強さは知っていたので、何か特別なことをしなければならないと考えた。(例えるなら)酸素なしでエベレストに登らなければならないことは分かっていた」。このプランが奏功。前半9分に早くも先制点を献上したものの、その後は0-1のままハーフタイムまで耐え抜くと、後半開始からの7分間でマンチェスター・Cのハイラインを攻略し、一気に逆転に持ち込んだ。

 その後は押し込んで攻めるマンチェスター・Cと、カウンターを狙うアルヒラルという構図で試合が進んだ。そのなかでアルヒラルはゴール前にコンパクトな守備ブロックを築きつつ、ひとたびボールを奪えばMFルベン・ネベスやMFセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチによる正確なパスワークで相手のカウンタープレスを回避。FWマルコス・レオナルドやFWマウコムといったスピード自慢のアタッカーが速攻を仕掛けていった。

 その結果、数多くのセットプレーを獲得することにもつながり、2-2で迎えた延長前半4分にDFカリドゥ・クリバリが勝ち越しゴールを奪うと、同9分には同点に追いつかれたが、後半7分にM・レオナルドが決勝点。試合を通じてGKヤシン・ブヌのスーパーセーブに助けられ、見事に4-3で勝ち切って歴史に残るジャイアントキリングを演じた。

 試合後、インザーギ監督は「この結果の鍵になったのは彼ら選手たちがピッチに注ぎ込んだ情熱だ」と選手たちの姿勢を賞賛。その上で「我々は強い決意を持ってプレーし、試合結果を実感することができた。勝利に値したと思う」と喜びを口にした。

 また元チェルシーのクリバリは「自分たちの能力を見せたかった。アルヒラルはここに来るだけの才能があるということを証明したかったのでとても嬉しい気持ちだ」とサウジアラビアで戦う立場からの感情を表現。またミリンコビッチ・サビッチは初戦のR・マドリー戦のドローから4戦無敗という結果に触れ、「R・マドリー、ザルツブルク、パチューカ、そして今夜の試合で良いプレーを見せられた。これからもこの調子で戦っていきたい」とさらなる躍進を目論んだ。


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Source: 海外サッカー

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