[7.5 関東大学L1部延期分 東海大 1-2 筑波大 東海大湘南G]
筑波大での3年目も折り返しを迎えた。チームの柱として君臨するMF徳永涼(3年=前橋育英高)は毎日の成長で自身を鍛え、高めて将来に繋げていく構えだ。
副将に就任した今シーズン、徳永は怪我で欠場する期間もありながらリーグ前期11試合のうち7試合で先発出場。前期最終戦となった5日の東海大戦でもビルドアップの際には最終ラインまで降りて組み立てていく役割や、中盤でボールを受ける場面ではスムーズに展開していくなどチームを支えていった。
「上手く自分のポジショニングとピックアップでプレッシャーがかからないように、安定して後ろが回せるような気遣いをしながら、自分にボールが入ったときにはなるべく前にターンして進んでいったりサイドで人数をかけて崩しにいったりというところはできたと思います」
ただ2点を先取して相手に退場者が出る中で最終盤に1失点を喫し、2-1での勝利となったことには引っかかりもある。「最後の終わり方の失点のところと3点目で相手の息の根を止めるところは、まだまだ自分を含めて課題が多かった」と総括し、「(相手が10人になって)引いてくる分、自分のところでもっと相手を引き出すミドルシュートがあったり、相手の視線を集めるような持ち方をしたりというのはもう少しできたと思う」と反省点を述べて今後に活かしていく考えだ。
高卒プロ入りの選択肢もあった中で選んだ大学サッカーは3年目に突入し、今季も半分を終了した。徳永は「自分が筑波を選んだ意味というのはフィジカル面もそうですし、いろいろな角度からサッカーに繋がる知識を入れたいというのがあった」と前橋育英高からの進学を決めた当時を振り返り、「よりサッカー選手としても人としても深みを得ることができているなって自信がある」とここまでの充実ぶりを示す。
そうした中で今月、U-18プレミアリーグなどで戦ってきたMF大関友翔(川崎F/川崎F U-18出身)が日本代表に初選出された。徳永は「マッチアップしてすごいライバル意識していた選手がE-1で日の丸を背負っている」と大きな刺激を受けるとともに、世代別代表を経験してきた自身としても「やっぱり自分はそこにどんどん飛び込んでいきたい気持ちがある」。「負けないように視野を広げて、どんどん世界を見て何事も基準を上げていきたい」と成長速度を加速させていく構えだ。
もっとも同世代のA代表入りに「焦りを感じていないと言ったら嘘になりますけど、それも自分が大学を選択した中で分かっていたことではあるので」と徳永。「この先の大学後だったり3年後、5年後のビジョンを描いた中で日本代表に食い込むことを意識してやっているので、日常の成長を拾っていくだけかなと思います」と冷静に受け止めている。
世代屈指のボランチとして注目が集まる徳永だが、プロ入りに向けて「現状につねに満足せず、一日に成長できる分を全部拾ってやるだけ」と実直な取り組みを続けていくことを強調。「それができて初めて周りからの評価に繋がっていく」と話し、筑波大での日常を大切に過ごしていく考えだ。
そうした日々の先にある進路については「自分の身の丈にあった選択をしたい」と方針を述べる。ただ柏レイソルU-15からユース昇格ではなく前橋育英高へ、前橋育英高から高卒プロではなく筑波大へと進む道を決断してきた中で、挑戦意欲がないわけではない。様々なことを天秤にかけ、分析しながら「これまでのサッカー人生は結構一歩一歩進んできたので、どこかでリスクを負って自分の可能性に懸けてステップアップしていきたいという気持ちも含めて、いろいろ模索していきたいなと思っています」と決断のときを見据えた。
「大学を選んだ自分の道を正解にできるようにしていきたい」。徳永はそう力を込め、日々の成長で未来を切り開いていく。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー
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