[7.13 関東大学L2部第9節 山学大1-2法政大 山梨学院大学川田ツインサッカー場]
1部復帰を目指す法政大が、前期の首位折り返しを決めた。前期の最終戦は最下位に沈む山梨学院大とのゲームで、1点差に追い上げられる苦しい展開となったが、2-1で逃げ切って、2位に勝ち点3差をつける勝利を手にした。
DF日高華杜(4年=大津高/清水内定)は、先週末までJリーグの活動に参加していたMF大畑凜生(4年=矢板中央高/清水内定)やMF松村晃助(3年=横浜FMユース/横浜FM内定)とともにベンチからのスタートになっていた。そして出番も2-1とリードした最終盤の後半39分からで、与えられた役割は明確だった。
ただ「いろんな状況が重なって難しいゲームになったと思うけど、その中でしっかりと戦って勝ち点3を取れたというのはよかった」と試合を振り返りつつも、「どういう状況でもゼロで行くだったり、3点目を取るだったり、そういうところを突き詰めていかないと、リーグ優勝は難しくなる。後期まで時間はあると思うので、チーム全体で成長していきたい」。主将としてチームに活を入れるようにして話した。
J1デビューも飾るシーズンになっている。清水エスパルスへの入団内定が発表になったのは今年2月。2年連続で参加したキャンプ中にオファーを貰えたことで入団を決めた。「去年の夏も練習に呼んでいただいた。去年の後期は怪我をしていたけど、またキャンプに呼ぶと言っていただいて、そこでオファーを貰って決めました」。
ところが今季も怪我で出遅れてしまった。昨年も夏場に右足ハムストリングの肉離れに悩まされたが、今度はリーグ開幕前の天皇杯予選で左足ハムストリングを肉離れ。復帰は5月に入ってからだった。
一方で柳沢将之新監督を迎えたチームは好調なスタートを切り、同じく清水入りを決めた大畑は、J1やルヴァンカップで出場機会を得ていた。「その時は怪我をしていたので、焦らずにしっかりと治して、自分がやれることをやろうと思っていた」。ただ「個人的には悔しかったです」と本音を隠すことはしない。
それでも6月に入って復帰後初先発を飾るなど出場時間を伸ばしていくと、月末には清水の活動に参加。そして6月28日のJ1第22節の柏戦でJ1デビューとなる先発出場を果たした。「法政でもなかなか試合に出ていない中で行かせてもらって、エスパルスのチーム状況もそうですけど、チャンスを頂けたのは嬉しかった。自分のサッカー人生において、すごく大きな経験だったなと思います」。


しかし“悔しさしか残らない”ゲームになってしまったと振り返る。「スタメンと分かって、自分なりに気持ちを整えて臨んだんですけど、会場についたときの観客の多さだったり、エスパルスは応援がすごいので、それにちょっと呑まれてしまって。試合に入っても上手く自分だけ入れなかった」。得意とする右WBでの先発だったが、前半23分の失点の場面は、マッチアップしたMF小屋松知哉に1対1で完全に抜き去られてしまった。
「自分のところで突破されて失点したんですけど、ああいうところでもスピードの違いだったりはすごく感じて。そこは本当に取り組むしかないと思います。でも悔しかったけど、戻れないので、その経験を生かすしかない。試合後のインタビューで秋葉監督にもこれからの生活を学生として過ごすのか、プロとして過ごすのかと言っていただいた。そこは意識を変えて、来年からあの舞台で戦わないといけないので、基準を一回りも二回りも変えてサッカーに取り組んでいきたいと強く思います」
大学リーグが中断に入ったことで、今後は再び清水の活動に帯同する予定になっている。「同じポジションに素晴らしい選手がいるけど、当たり前にベンチ外だったりは考えていないし、勝ち抜いたうえで結果を残すことを思い描いています」。今度こそチームの勝利に貢献したい思いを強くする。
そしてプロでの経験を持ち帰ってチームに還元、後期の11試合に繋げることで、主将としての役割も果たすつもりでいる。「法政は本当に2部にいていいチームではない。それは全員が理解していると思う」。法政としても主将が万全のコンディションで戦い抜くことができれば、1部復帰がより現実味を帯びてくるはずだ。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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