名門・滝川二はインハイ3試合を通して成長。3得点の2年生10番MF北村勇貴はこれから「圧倒的な存在感を」

滝川二高の10番MF北村勇貴(2年=FC PASENO ITAMI)は3試合で3得点の活躍。(写真協力=『高校サッカー年鑑』)
[7.29 インターハイ3回戦 帝京長岡高 3-2 滝川二高 JヴィレッジP1]

 兵庫の名門・滝川二高は2016年大会以来となるインターハイで2勝し、ベスト16入り。3回戦でプレミアリーグ勢の帝京長岡高(新潟)に敗れたものの、0-3から2点を奪い返すなど強敵を苦しめた。

 前半3分に左クロスからMF北村勇貴(2年)が決定的なヘッド。直後に先制されたものの、MF南壮一郎(3年)やMF宮本蒼大(2年)が前からボールを刈り取りに行く。突破され、シュートまで持ち込まれるシーンも増えていたが、182cmDF滝澤呂澪主将(3年)と186cmDF浜口巧成(3年)の両センターバックが後方を支えるなど1点差を維持した。

 また、良い形でボールを奪い返した際には、FW空久保善(3年)の裏抜けやサイド攻撃に結びつけ、空久保がシュートへ持ち込んだ。前半終了間際の連続失点によって0-3で前半を終了。苦しい展開となったが、後半に再びギアを上げ、9分に中西のパスからMF米田空眞(3年)が右足シュートを放つ。GKの弾いたボールを空久保が押し込み、1点を返した。

 その後も滝川二に勢い。南がパスを散らし、米田がシュートへ持ち込むなど、シュート数は前半の2本から後半に10本まで増やした。35分に空久保の獲得したPKを南が決めて1点差。だが、追いつくことはできなかった。

 目標のベスト8には手が届かなかった。だが、小森康宏監督が「彼らの日々成長している姿が手に取るように分かる大会だった」と評したように、チームは3試合で成長。帝京大可児高(岐阜)を6-3で下すと、鹿島学園高(茨城)戦では後半アディショナルタイムに空久保が同点ゴールを決め、PK戦で競り勝った。

 今大会、成長を示した一人が2年生MFの北村だ。帝京大可児初戦で2得点1アシストを記録すると、続く滝川二戦でも先制ゴール。「自分でも得点を絶対取りたいなっていう思いで今大会来たんで、得点取れて通用した部分は多くあったかなと思います」と振り返る。

 右サイドからゴール前の崩しに係わり、シュート、ラストパス。今年から右サイドでプレーするようになったことで、利き足と逆足の左足の練習にも時間を割くようになった。帝京長岡戦でも器用に左足を扱い、チャンスを創出。「意外と相手に仕掛けてみると、プレミア(リーグ)相手とか、(プリンスリーグ)関東1部とか相手でも案外やれるなっていう感じもあったし、ゴール前の駆け引きとかでも案外通用する部分が多かったんで、ちょっと自信はつきました」と語った。

 兵庫の街クラブ、FC PASENO ITAMI出身のMFは、2年生ながら名門・滝川二の10番。今回のインターハイで手応えを掴んだが、味方を活用して崩すだけでなく、個の力でシュートまで持ち込めるような力が必要だと考えている。「打開してフィニッシュまで持って行けるような選手になるともっと自分の良さが出ると思うし、相手からしても怖いと思うんで、そういう選手になりたい」。決定力の向上も必要。意識している選手は、この日対戦した帝京長岡のU-17日本高校選抜MF和食陽向(2年)だ。

「相手の14番(和食)、2年生でやっぱ同じ兵庫(FCフレスカ神戸出身)で存在感があったんで、自分もああなれるように、もっと存在感っていうか、もっと自信つけて、圧倒的な存在感を出せるようにやっていきたい」

 ここから夏の期間やプリンスリーグ関西2部で課題改善に取り組んでいく、小森監督は今後へ向けて、「もう1回、ディフェンスのところも整備しないとダメだし、あとはアタッキングゾーンの自分らの得意な形っていうのをしっかりと整理していかないといけない」とコメント。また、北村は「冬、来年に向けて練習して、プレミア勢でも普通に勝てるように、やっていきたい」と力を込めた。インターハイで得た自信も持ち帰り、またトレーニング。成長を加速させ、プレミアリーグ勢を上回るような個人、チームになって全国舞台に戻って来る。

DF滝澤呂澪主将が中心になって守備
MF米田空眞は後半、1人でシュート3本を放った
後半35分、MF南壮一郎が右足PKを決めて1点差としたが……

【PR】ニューバランスフットボールから 「TEKELA ELITE HG」がバージョンアップして登場!


 ボールをコントロールするプレーヤーに向けて設計されたコントロールモデル「TEKELA」トップモデルがv5へと進化。軽量マイクロファイバーとグリップ加工で直感的なタッチを実現し、一体型ニットカラーが足首を包み込むようにフィット。さらに改良されたナイロンアウトソールが360度のトラクションで加速をサポートする一足となっている。

「FURON」「442」とともに、それぞれの最新カラーや最新シリーズがラインナップされている。

詳細はこちらをチェック!!

(取材・文 吉田太郎)


●全国高校総体2025特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
Source: 大学高校サッカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました