[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 インターハイ決勝 大津高 2-2(PK6-7)神村学園高 Jヴィレッジスタジアム]
神村学園高(鹿児島)にとって夏冬通じて初の日本一。その立て役者は、間違いなく3年生GK寺田健太郎(SMIS SELECAO SPORTS U-15出身)だった。この日、決定的なピンチが前後半、そして延長戦にも複数回あったが、圧巻の守備を連発。そして、PK戦でも1本を止めてヒーローになった。
寺田は「準々決勝、準決勝では自分の連係ミスというか、自分の技術ミスの部分で失点しまっていて、だけど、仲間が点をそれ以上に取り返してくれて勝てて決勝に来れたので、自分がその分までチームのために戦うという気持ちで臨みました」と振り返る。
前半、守りがハマらず、相手に主導権を握られる時間帯が増えていた。前半22分にはDFラインが割れてしまい、中央へパスを通されてしまう。だが、寺田が果敢に飛び出して今大会得点王のFW山下虎太郎(3年)のシュートを身体に当てる。
寺田がこの日のベストセーブに挙げた1本などによって前半は0-0。後半14分には相手の鋭いクロスを飛び出して弾いたが、こぼれ球をゴールに押し込まれてしまう。それでも、「鈴木(勝久)GKコーチだったり、(監督の)有村(圭一郎)先生だったりに『いつも通り』という風に言われていた」寺田は、焦らず、いつも通りを心がけてゴールを守り続ける。
30分に再びPAへ抜けてきた選手のシュートをストップ。すると、35+6分に味方が同点ゴールを決めて追いついた。守護神はその後もミドルシュートに反応するなど、ゴールを死守。延長前半には2分に相手シュートのこぼれ球を決定的な形で狙われ、8分には自陣PA付近で味方がボールを失い、大ピンチを迎えた。
だが、「自分、1対1が得意ではあるので、その1対1で味方が限定していて、もうそこのパスしかないようなシーンがあったので、仲間と協力して守れたので良かったです」という寺田はこの2本もストップ。そして、2-2で突入したPK戦で再びチームを救う。
神村学園は1人目のFW徳村楓大(3年)が外して劣勢に。だが、「準々決勝で自分、1本止めていたので、もう絶対止めるという気持ちで」臨んでいた寺田が、相手の4人目のシュートを止め切った。
徳村も「(外した後は)切り替えて、『寺田を信じる』っていうことだけ考えて、やってくれて、もうほんとに寺田に感謝しかないです」というビッグセーブだった。そして6-6で迎えた大津8人目のシュートが枠外へ。直後にMF東若泰雅(3年)が右足シュートを決めると、寺田は歓喜の中心になった。
有村圭一郎監督はサブのGK陣含めて「みんなで守った」とした上で、「今日はもうだいぶ寺田に助けられたと思います」と感謝。前回大会で全6試合ゴールを守ったGK江田優大(3年)やGK久保侑工(2年)のサポート、そしてDF陣の奮闘もあっての寺田の活躍だった。
大会優秀選手にも選出された寺田は「目標の日本一っていうのが、神村学園史上初めて取れて、凄く嬉しいです」と笑顔。この後、今季、出場機会を分け合ってきた江田らとの競争が再び始まる。「(ポジションを)譲らない気持ちでいます」という優勝GKが、よりミスやプレーの波を減らし、神村学園のゴールを守り続ける。








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(取材・文 吉田太郎)
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